2011 Fiscal Year Research-status Report
慢性閉塞性肺疾患患者のQOLの向上を目指した病期移行過程支援プログラムの構築
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23593232
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
森本 美智子 鳥取大学, 医学部, 教授 (50335593)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 看護学 / QOL / 慢性閉塞性肺疾患 / 在宅酸素療法 / セルフマネジメント / 移行過程 / コントロール感 |
Research Abstract |
本研究は,慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の病期移行過程の特徴を明らかにして,どのような時期にどのようなプログラムで支援を行えば,患者の身体的機能や精神的健康の維持に効果的な看護の支援になるのか,支援時期を明らかにしてプログラムを構築すること,その妥当性を検討することを目的としている。平成23年度の研究は,患者から質的データを得て,III期からIV期の病期移行前・移行後の心理的変化,生活状況の変化を検討すること,プログラムの評価指標に関して,予備的な調査を行うことであった。1.質的データの分析については,先行研究(教育介入に関する研究,メタ分析)を再検討した結果,個人に内在する肯定的自己資源(病気や息切れに対するコントロール感)に着目することが適切と判断された。現在,研究計画を再吟味し,研究施設の倫理審査を終え,サンプリングを行っている段階である。2.予備的な調査としては,在宅酸素療法を行っている患者(IV期の患者)に対して,健康関連QOL(SGRQ)の評価,SpO2の評価を行い,定期受診時に継続した介入を試みた。その結果,3ヶ月後には患者のQOLの改善,SpO2の改善(反復測定一元分散分析,P<0.01)を認めた。看護介入の評価指標として,SGRQ,SpO2は有用であることが示唆された。介入に際しては,患者と課題を共有し,リーフレットを用いた。プログラムだけでなく,介入方法の検討が必要であることが示唆された。睡眠状態が評価指標に適しているかどうかは,現在予備調査を実施している段階である。3.在宅で生活するCOPD患者の息切れの状況を把握するために,測定状況を記録できるパルスオキシメータの開発を行い,特許の申請を行った。測定状況を記録できるパルスオキシメータを用いることによって,息切れに対する介入支援に対して,その効果判定をより客観的に詳細に行うことができると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
質的データの分析については,遅れている。教育介入に関する研究や認知的介入(CBT)に関する研究を再検討した結果,患者の身体的機能や精神的健康の維持に効果的な看護の支援を構築していくためには,どのような心理的変化に着目するのか,再検討する必要性がでてきたためである。
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Strategy for Future Research Activity |
現在,再検討した研究計画について,研究施設の倫理審査を終え,サンプリングを行っている段階である。データ収集・分析については,連携協力者2名,研究協力者3名と連携を密にして,速やかに行っていきたい。研究協力者は,呼吸器内科病棟の看護師,慢性疾患患者の看護の研究者であり,分析の信頼性・信憑性を高めて,データに対する分析を行っていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度,予備調査で得られた結果の一部は,学会で発表する。収集した質的なデータは,文献的な検討を加えて検討を行う。
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