2012 Fiscal Year Research-status Report
慢性閉塞性肺疾患患者のQOLの向上を目指した病期移行過程支援プログラムの構築
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23593232
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
森本 美智子 鳥取大学, 医学部, 教授 (50335593)
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Keywords | 看護学 / QOL / 慢性閉塞性肺疾患 / 在宅酸素療法 / セルフマネジメント / 移行過程 / コントロール感 / 体重 |
Research Abstract |
本研究は,慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の病期(III期からIV期への)移行過程の特徴を明らかにして,どのような時期にどのようなプログラムで支援を行えば,患者の身体的機能や精神的健康の維持に効果的な看護の支援になるのか,支援時期を明らかにしてプログラムを構築すること,その妥当性を検討することを目的としている。平成24年度の研究の状況は以下のとおりである。 1.個人に内在する肯定的自己資源(病気や息切れに対するコントロール感)に着目し,病期III期・IV期のCOPD患者6名にインタビュー調査を行った。現在,質的データの分析をすすめ,支援時期・タイミングについて検討している段階である。 2.プログラムの評価指標として用いる体重および体組成に関して,予備調査を行った。BMIが19未満のCOPD患者に対して,リーフレットを用いた栄養指導を行い,栄養補助食品を用いた介入を行うとともに,認知的な介入(行動強化法,セルフモニタリング法)で6か月間をサポートした。介入の効果として,体重の改善,健康度自己評価の改善,効力感の高まりを認めたが,SGRQ(QOL)得点や除脂肪量の改善には至らなかった。 本年度の研究によって,プログラムでは,運動療法を開始する時期,外来通院をする患者が自宅で継続できる運動内容を選択することなど,患者の身体的機能や精神的健康の維持に効果的な看護支援にするための検討が必要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
質的データの分析については,遅れている。 教育介入に関する研究や認知的介入(CBT)に関する研究を再検討した結果,患者の身体的機能や精神的健康の維持に効果的な看護の支援を構築していくためには,肯定的自己資源に着目する必要性が生じ,研究計画を再検討してデータを収集したためである。
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Strategy for Future Research Activity |
現在収集している質的データについて,速やかにデータ分析を行っていきたい。研究協力者は,呼吸器内科病棟の看護師,慢性疾患患者の看護の研究者であり,分析の信頼性・信憑性を高めて,データに対する分析を行っていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予備調査で得られた結果の一部は,研究会,学会で発表する。 収集した質的なデータは,文献的な検討を加えて論文化を行う。 質的なデータの収集が遅れ,プログラムの構築・評価を開始できなかったために,次年度に使用する研究費(62512円)が生じた。当該研究費は,質的なデータの結果報告の費用あるいはプログラムの構築のための研究協力者との会議費などに使用することを計画している。
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Research Products
(2 results)