2013 Fiscal Year Annual Research Report
慢性閉塞性肺疾患患者のQOLの向上を目指した病期移行過程支援プログラムの構築
Project/Area Number |
23593232
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
森本 美智子 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (50335593)
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Keywords | 看護学 / 慢性閉塞性肺疾患患者 / セルフマネジメント / コントロール感 / 移行過程 / 息苦しさ |
Research Abstract |
本研究は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の病期(III期からIV期への)移行過程の特徴を明らかにして、どのような時期にどのような支援を行えば、患者の身体的機能や精神的健康の維持に効果的な看護の支援になるのか、支援時期を明らかにしてプログラムを構築すること、その妥当性を検討することを目的としていた。 在宅酸素療法を行っている病期IV期にある者を含むCOPD患者(年齢54~74歳, %FEV1.0 13.5%~60.3%)の質的データを解析した結果、III期からIV期にある者は【無理をしないで活動をセーブする自分をもつ】こと、【仕方ないとあきらめて自分の身体能力を受け止める】こと、【経験を重ねて自分なりの息苦しさを緩和させるコツをつかむ】ことで、心身のコントロールを図っていた。【無理をしないで活動をセーブする自分をもつ】とは、これまでの生活(II期まで)で行っていた活動(手段的日常生活活動や屋外活動)について、一気にしない、ゆっくりする、行わない、と段階を追ってセーブをして、活動時に生じる“えらさ”を回避するだけでなく、その後に生じる体調悪化に対して予防を図っているものであった。また、あきらめることで自分の趣味や目標をかえて生活をおくっていた。これは、“病気”にこだわらず、残念だが仕方ないといった捉え方や加齢による体力の衰えといった捉え方で、認知的なコントロールを図るものであった。コツには、自分なりの呼吸法や歩き方、じっとして待つといった方法が含まれており、歩くといった日常生活活動で用いられていた。これらの情報は、医療者から伝えられている場合もあったが、“体得”しているコツであった。 患者からは、“動かない”ことで息苦しさはコントロールできるが、身体機能を維持するために、“動かなくてはいけないと思っていること”が語られ、活動性を維持するための早期からの介入の必要性が示唆された。
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Research Products
(2 results)