2012 Fiscal Year Research-status Report
結核患者の治療継続を支援する教育ツールとプログラムの開発に関する研究
Project/Area Number |
23593248
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
秋原 志穂 大阪市立大学, 看護学研究科, 教授 (30337042)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤村 一美 大阪市立大学, 看護学研究科, 准教授 (80415504)
|
Keywords | 結核 / 患者教育 / 治療継続 |
Research Abstract |
平成24年度は、全国の結核病棟を対象に、「結核病における患者ケアシステムに関する研究」を行った。第二種感染症指定機関の結核病床を有する235施設と、モデル病床を有する10施設での患者ケアと環境について調査を行った。回収数は87(35.5%)であった。現在分析の途中であるが、DOTSを行っている施設は79(90.8%)であったが、行っていない施設は5施設あった。服薬自己管理にむけての指導は86.2%が行い、その指導は2週目から開始するところが最も多かった。回答に一部と、自由記載を参考にし、結核病棟における患者教育のスケジュールと教育内容を、臨床の看護師と検討を重ねて、作成した。現在、介入研究を開始しているところである。 同時に、長期間隔離入院する結核患者のストレスが高く、入院中のQOLの維持を妨げるため、ストレス緩和を目的とした介入研究を行っている。データ収集の途中ではあるが、結核病棟に入院後の患者の気分を測定したところ、入院2週目より、4週目において肯定感の上昇が見られている。結核の治療への積極性は、全体的に高く、2週目より4週目の方が若干上昇しているようだが、有意差はなく、2週目から治療には前向きな態度が伺えた。自由記載からは、「外に出たい」、「自由がないことが辛い」という訴えがあり、患者の隔離病棟でのストレスが表されていた。 現在、我々の行った先行研究の結果も参考に、患者教育用の視聴覚教材を作成中である。患者が入院後すぐに見ることができるものであり、医療者の説明だけでは難しい場合も想定し、簡単に理解できるように留意している。DVDだけでなく、ipad上で利用できるソフトも並行して検討している。全国の調査で患者教育用教材が不足していることが明らかとなったので、本研究で教材を作成することには意義がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
教材はH24年度中に作成する予定であったが、H25年度にずれ込んでいる。視聴覚教材は費用もかかるので、汎用性が高くなるように臨床現場の者と慎重に検討を重ねた。臨床現場が忙しいので、打ち合わせ会議が頻繁に開催できず、遅れ気味である。現在は視聴覚教材作成の業者とも検討をしているところであるので、あと少しで作成できる予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き、結核患者教育動画の内容検討を行い、最終版を作成する。作成後は実践的に患者教育に用い、その評価を行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は1630千円である。視聴覚教材作成委託費に130万円程度、予算に余裕があれば、ipad用のソフト作成をしたい。ipad導入については、研究計画ではもともと予定をしていなかったが、現在の情報機器の流通や発達から、より現状にあっているともいえる。予算が足りなくて、今回の研究課題では達せない場合は、翌年度に研究助成金を申請したい。
|
Research Products
(3 results)