2012 Fiscal Year Research-status Report
治療期にあるがん患者へのホリスティック・アプローチを基盤とするケアモデルの開発
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23593253
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
森下 利子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (80174415)
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Keywords | がん治療期 / ホリスティック・アプローチ / ケアモデル |
Research Abstract |
本年度は、本研究の研究目標1のホリスティックの概念や定義、がん看護領域におけるホリスティック看護についての文献検討の成果を、「がん看護領域におけるホリスティック看護を実践するための文献的考察」と題して、研究論文にまとめ、高知県立大学紀要看護学部編において公表した。 本年度は、本研究の目的である「治療期にあるがん患者の看護に携わる看護師が、がん治療に伴う不確かな状況にある患者を全人的に支え、患者が主体的に治療に参画し、自己治癒力を高めながら療養生活を維持できるよう援助することに資するホリスティック・アプローチを基盤とするケアモデルの開発」の第1段階として、患者を対象とした面接調査のうち、前年度に予定した対象者に達していなかった面接調査を継続して実施しリッチなデータを得るために対象者を増やして面接調査を終えたが、治療期にあるがん患者は、これまでと同様に看護師には全人的な関わりや役割を期待しておらず、がん治療においては家族や友人、医師との関わりや支えによって治療に向き合い、治療期に対処していたことが明らかになった。 本年度は、本研究の第2段階として、がん患者の看護に携わる看護師に焦点をあてて、がん診療連携拠点病院で、がん看護に携わる経験年数5年以上を有するエキスパートナース15名程度を目標に、面接調査を行う予定であったが、面接調査による質的帰納的分析方法を取っているため、データ分析を継続比較法を用いて行なっているため、予定の半数の面接調査を終えて、分析を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
24年度の実施目標は、文献検討をもとに半構成的インタビューガイドを作成して、がん診療連携拠点病院で、がん治療中の患者の看護に携わるエキスパートナース15名程度を目標に、1.全人的ケアあるいはホリスティックケアを実践することができたと思えた場面や状況、ケア内容とその理由について、2.全人的ケアあるいはホリスティックケアを実践することができなかったと思えた場面や状況、ケア内容、その理由について、3.ホリスティックケアを実践するうえで、大切にしていることについて、の3つの視点から面接調査を行う予定であったが、現在半数の面接調査を終え、分析を行っているところである。 研究遅延の理由は、第1に研究者の業務上の都合により、面接対象者への面接調査のスケジュール調整が円滑に行えていないことである。第2には、面接調査とデータ分析を継続比較法により繰り返し行っているが、本研究で明らかにしようとする目的に該当するリッチなデータ収集ができていないことから、当初の計画から大幅に遅れている状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究においては、第1に24年度計画で遅れている、がん診療連携拠点病院におけるエキスパートナースを対象とする面接調査を早期に行い進めていく予定である。そのために、スケジュールを見直し、目標とする対象者への面接調査を優先的・計画的に行って、データ分析から結果をまとめあげることができるようにする。逐語録作成のため協力者の確保も計画的にゆとりを持って依頼を行っていく予定である。 次いで、25年度計画である治療期にあるがん患者へのホリスティックケアモデルの試案を作成して、がん専門看護師から示唆や意見を聴き、それらをもとにさらに作成したケアモデルの洗練化を何度か繰り返しながらケアモデルの完成につなげていく。そのためには、がん看護専門看護師とのスケジュールも計画的に行い、研究を優先して進めていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度は、24年度計画で遅れていた面接調査を行うことと、それらをまとめあげて、第3段階のケアモデルの試案を作成する。試案のケアモデルについては、がん看護専門看護師を対象に意見や示唆を受け、ケアモデルを作成する。そのために、以下の研究費を使用する予定である。 面接調査(400,000円):内訳 賃金 資料収集・整理(2人×4,000円×8月),面接対象者謝品(看護師7名×3,000円),賃金 逐語録作成(3人×15,000円×7月) 専門的知識の提供(280,000円):内訳(3人×10,000円×6月),翻訳料等 消耗品費(140,000円):内訳 記録用メディア,インク等,ファイル等、印刷用紙 旅費(200,000円):東京2日×2回 成果報告書作成(100,000円):印刷費等
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Research Products
(1 results)