2013 Fiscal Year Research-status Report
自宅で経口化学療法を続ける患者の服薬の実態解明と安全、確実な服薬支援モデル開発
Project/Area Number |
23593257
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
矢ヶ崎 香 慶應義塾大学, 看護学部, 助教 (80459247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 浩子 慶應義塾大学, 看護学部, 教授 (60158300)
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Keywords | 経口抗がん薬療法 / アドヒアランス / 質的研究 / がん看護 |
Research Abstract |
本研究の目的は、自宅で経口化学療法薬を服用する患者が安全かつ確実に治療の継続を促すための、服薬支援モデルを開発し、そのモデルの有用性を検証することである。 今年度は、「自宅で経口化学療法を続けるがん患者の安全、確実な服薬を阻害する要因と有害事象のセルフマネジメントの実態の解明と構造化」について胃癌患者を対象に調査を行った。今年度の研究の目的は経口抗がん薬治療を受けることに患者自身が納得し、服薬の重要性を理解しているにもかかわらず、何故(どのように)飲み忘れやskippingなどが生じるのかについて、進行胃癌患者の内面を探求することを目的に質的研究を行った。研究参加者は胃癌患者14名で、データ収集は個別インタビューを1人1回実施し、データを収集した。データ分析はGrounded Theory Approachを用いて分析した。 分析の結果、コアカテゴリーとして“the tension of inconsistency in cancer patients”が導かれた。研究参加者はがんや経口抗がん薬への期待と現実との間で感情が混在し、経口抗がん剤の内服に対してstriving for complianceとなり、tension of inconsistency が高まっていた。 Tensionは、重要なカテゴリーで、tensionからemotional suppression, skipping medication によって、immediate stress reliefを得て、再び厳密に服薬するというプロセスを繰り返していることが示された。中にはskipping medicationを繰り返すうちにnegative thoughtが生じていた。一方、tensionからself-control、emotional stabilityというプロセスを経て、adherenceを促し、さらにsubjective well-beingをもたらしていることも明らかになった。以上のことから、本研究では、部分的なアドヒアランスの構造を明らかにした。現在、投稿に向け、準備を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度中に投稿を完了する予定であったが、検討を繰り返しながら進めたため、やや遅れが生じている。また、次年度の「自宅で経口化学療法を続ける患者の安全、確実な服薬支援モデルの開発と有用性の検証を行う」ための準備として、研究デザインの検討、計画を行う予定であったが、経口抗がん剤の新薬が導入され、臨床状況が変化しているため、研究計画にやや遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、平成24年度、平成25年度の研究結果を統合し、自宅で経口化学療法を続ける患者の安全、確実な服薬支援モデルの開発と有用性の検証を行う。フィールド開拓と研究計画書の倫理審査といった準備に要することを効率的に計画的に進めて、調査の開始が遅れないように努める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度中に投稿予定であったが、現在準備を進めているため、ネイティブチェックや掲載費の予算が未使用になっている。 未使用額は、投稿時に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)