2014 Fiscal Year Annual Research Report
自宅で経口化学療法を続ける患者の服薬の実態解明と安全、確実な服薬支援モデル開発
Project/Area Number |
23593257
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
矢ヶ崎 香 慶應義塾大学, 看護学部, 准教授 (80459247)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 浩子 慶應義塾大学, 看護学部, 教授 (60158300)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
|
Keywords | 経口抗がん薬 / 服薬アドヒアランス / 質的研究 / 胃癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】本研究の目的は、自宅で経口化学療法薬を服用する患者が安全かつ確実に治療の継続を促すための、服薬支援モデルを開発し、そのモデルの有用性を検証することである。 【経過および成果】最終年度は、昨年度データを収集した経口抗がん薬治療を受ける患者の体験に関するデータ分析を進め、概念化を行った。 経口抗がん薬を受ける胃癌患者14名を対象に、Grounded Theory Approachを行った結果、がん患者は経口抗がん薬に対するrational belief とemotional resistanceとの内的葛藤(inner conflict)が生じていることが明らかになった。そして患者の主観的認識(perceived adherence)と行動 (partial non-adherent) には不一致が生じていることも示された。また、がん患者の中には内的葛藤を通して自分の人生を内省したり、経口抗がん薬治療における自身の役割を見出して確実に服薬している者もいた。すなわちがん患者の内的葛藤が服薬に影響していることが示された。この研究成果は学術論文として報告した(BMJ Open, 2015)。 さらに、これまでの2つの調査(看護師を対象にした調査と患者を対象にした調査)の結果を統合し、patient-centered careにおけるpatient adherence支援モデルを次のように構造化した。①経口抗がん薬を受けるがん患者に対するnursing presence: involvement in entryからその後も継続的にproactive patient careを遂行。②患者の経口抗がん薬治療に伴うrational belief とemotional resistanceの内的葛藤の理解と明確化。③経口抗がん薬治療に対する患者の主観的な認識と行動の理解。これらの要素により患者の真のニーズに対する個別的なpatient adherence支援につながると考えられた。
|
Research Products
(1 results)