2014 Fiscal Year Annual Research Report
自己決定理論に基づく患者の自律性を支援するための多職種教育プログラムの開発
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23593267
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
山本 佳代子 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 講師 (40550497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥宮 暁子 帝京科学大学, 医療科学部看護学科, 教授 (20152431)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 透析 / 自己決定理論 / 自律的動機づけ / セルフマネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究第1段階では、透析患者自己管理への動機づけへの要因を検討した。自律的動機づけと他律的動機づけ双方に「自律性の支援」が促進因子として作用していること、肯定評価型コーピングを使用して社会活動障害の少ない患者は、「自律的動機づけ」を多く認知すること、原疾患が糖尿病であることや学歴が低い場合には、無気力になりやすいことを明らかにした。このことから、多様なコーピング方略獲得への援助や社会活動障害に対する支援が、自律的動機づけ維持の支援として有効であることが示唆された。また、面接調査からは、透析患者は『対峙期』『接近期』『融合期』『拡大期』の4つの段階を経て自己管理と自分の生活を統合していくための動機づけを意味づけし、人としての「発達」も経験しており、より自律的な動機づけへの変化は、単に透析生活の成功だけでなく、患者の人生の価値も向上させ得ることが、明らかになった。 第2段階では、透析に従事する医療者を対象として質問紙調査を行い、機械操作,可視的な患者の成果が得られないなどのストレスが多く、自身の自己管理支援にも満足感が持てていない現状が明らかとなった。看護師の自己管理支援に最も影響を与えていた要因は、「患者の生活と自律性を尊重する患者観」で「患者の生活と自律性を尊重する患者観」を多く持つ看護師には,現在やりがいを感じている者が多く、主体的な就業動機とも正相関していた。現状では自律性を尊重する支援については認識も実践も低いため、患者の自律性を尊重することの重要性や、その具体的な方法の教育が必要である。しかし、看護師自身の患者観の振り返りは、患者の自己管理支援の質・量を向上させるだけでなく、看護師の離職やバーンアウトの防止になる可能性がある。 今年度、以上の結果の分析考察部分の精錬と、看護師への報告会の開催、学会発表、論文投稿を行った。
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Research Products
(4 results)