2014 Fiscal Year Annual Research Report
緩和ケア病棟における入院時から死別後1年間の継続的がん患者家族支援に関する研究
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23593272
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
服部 希恵 日本福祉大学, 福祉社会開発研究所, 客員研究所員 (00310623)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長江 美代子 日本福祉大学, 福祉社会開発研究所, 客員研究所員 (40418869)
甘佐 京子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 教授 (70331650)
土田 幸子 鈴鹿医療科学大学, 看護学部, 准教授 (90362342)
田中 敦子 日本福祉大学, 福祉社会開発研究所, 客員研究所員 (70398527)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | グリーフケア / 悲嘆 / 緩和ケア / 死別 / 家族 / サポートグループ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、緩和ケア病棟入院時から死別後のがん患者家族を継続的にサポートするためのがん患者家族支援プログラムを構築し、その効果を実証的に評価することである。 平成26年度は、緩和ケア病棟入院中のがん患者の死別後1~2年の家族を対象に、考案した内容を取り入れた家族サポートグループを実施し評価を行った。家族がサポートグループに参加した理由は、同じ境遇の人と気持ちを分かち合いたい、悲しみからの回復のきっかけ、家族をしのびたい、家族サポートグループへの興味、医師や看護師にお礼がしたい、役に立ちたい、であった。家族サポートグループを実施したあとの家族の思いとしては、スタッフの対応がよかった、同じ境遇の人と分かち合いができたことを挙げていた。家族サポートグループは、参加した人の満足度も高く、家族の悲嘆からの回復の一助となると考える。 また、緩和ケア病棟入院中のがん患者、家族に継続的に関わった看護師、ボランティアを対象に、死別後の家族サポートグループを行うための教育プログラムを実施し評価を行った。有用性については、62名(98.4%)が役立つと回答しており、その理由としては、今後のケアに活かすことができる、グリーフケアの質の向上に役立てる、自分自身のケア、成長につながる、が挙げられた。教育内容については、すべての内容について90%以上が役立ったと回答し、ロールプレイ演習では97.5%が役立ったと回答した。家族に対しグリーフケアを提供した経験や、今後のケアに役立てる経験は、入院中からの患者、家族の悲嘆のケアに還元することができ、継続的な悲嘆のプロセスをサポートすることにつながると考える。一方、入院中患者をケアしている体験を家族と共有しやすく、家族と同様の感情を抱きやすい。したがって家族サポートグループでは共感疲労が起こりやすいことを理解し、自分自身をケアし予防していくことが重要である。
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Research Products
(1 results)