2011 Fiscal Year Research-status Report
SEIQoL-DWによる経時的変化を用いた若年性神経難病患者のQOLに関する研究
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23593275
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
秋山 智 広島国際大学, 看護学部, 教授 (50284401)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 若年性パーキンソン病 / QOL / SEIQoL-DW / MASAC-PD31 / ナラティブ |
Research Abstract |
本研究の目的は、若年性神経難病患者(特に若年性パーキンソン病)のQOL について、SEIQoL-DW を中心にその特徴を明らかにすることである。さらに、何が原因・きっかけでQOLの値が変動したかを検討する。多くのケースのSEIQoL-DWを毎年経時的に分析していくことと、ナラティブを同時に聴取していくことによって上記のことを考察していく過程の中で、QOLを向上させるための具体的な方策について検討する。同時に、長いスパンでSEIQoL-DWを実施するという中で、この方法論の新たな意義についても明らかにする。 若年性の神経難病患者(特に若年性パーキンソン病)は慢性進行性であるが、進行はゆっくりである。その長いスパンの中で患者の生活やQOLがどう変化し、何が原因でQOLが変化するのかを見極めるには、できるだけ長い期間の継続観察・測定が必要である。そこで本研究では、(1)5年の期間を使い、事前のアンケート調査と患者のライフヒストリー聴取を基礎として"SEIQoL-DW"を一人あたり1年に1度ずつ測定する。(2)その値と内容の変動について、研究者と患者自身との対話、およびSF-36(or 8)やMASAC-PD31(パーキンソン病疾患特異的尺度)などとの比較により考察する。また、(3)若年性パーキンソン病以外の若年性神経難病患者、および同じパーキンソン病でも高齢患者との"SEIQoL-DW"の比較も必要である。 今年度は、38名の対象者(若年性パーキンソン病患者)に直接面接し、SEIQoL-DW、およびMASAC-PD31を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、38名の対象者(若年性パーキンソン病患者)に直接面接し、SEIQoL-DW、およびMASAC-PD31を実施した。これは予定数の90%程度であるが、残りは対象者の体調不良などで実施できなかった。しかし、全体としては、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目以降も、パネル調査として、同じ患者に SEIQoL-DW、MASAC-PD31を実施し、特に SEIQoL-DWの値と内容の変動について、研究者と患者自身との対話、および MASAC-PD31などを踏まえて、前年度との比較を中心に考察する。また、対象者として新しい患者と出会えれば、新たに加えてゆく。さらに、病気に対する不確かさ尺度(UUIS)を追加し、特にSEIQoL-DWとの関連についても考えてゆく予定である。なお、途中経過については学会発表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
若年性のパーキンソン病患者は全国的に見ても多くなく、患者は各地に点在している。本研究のデータ収集方法は対象者のとの面接であるため、研究者が対象者の住まいまたは住まい近くに赴き、インタビューを重ねる必要がある。録音機等以外には特別の設備は要しない。SEIQoL-DWに関しては、重み付けを決定する際に使用するディスク以外には特別の設備は要しない。また、データの分析の際に使用するパソコンと関連ソフトがあれば他には特別の設備は必要としない。したがって、研究費の90%程度は、全国各地に点在する対象者のところに調査に行くための旅費となる。
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