2012 Fiscal Year Research-status Report
SEIQoL-DWによる経時的変化を用いた若年性神経難病患者のQOLに関する研究
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23593275
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
秋山 智 広島国際大学, 看護学部, 教授 (50284401)
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Keywords | SEIQoL-DW / 若年性パーキンソン病 / MASAC-PD31 / UUIS / QOL / ナラティブ |
Research Abstract |
本研究の目的は、若年性神経難病患者(特に若年性パーキンソン病)のQOL について、SEIQoL-DW を中心にその特徴を明らかにすることである。 SEIQoL-DWについては、対象者の発症時平均年齢は33.98±9.42歳であった。SEIQoL-DWは6年間で51名に実施した。6回の実施者が8名(48回)5回の実施者が11名(55回)、4回の実施者が11名(44回)、3回の実施者が10名(30回)、2回の実施者が1名(2回)、1回のみの実施者が10名(10回)である。全189回の平均値は68.64±18.62であった。2年以上で複数回実施した41名(179回)のデータから、インデックス値の変動が比較的小さいケースのキューの内容の変化とその値について分析した結果、前年度と比較してキューの内容の一部が大きく変更されたケースとそうではないケースに二分された。特に前者においては、一見、値の変動が小さいケースであっても、大切なものを失っていたり、その一方で、失ったものに代わる何かを得ていたり、考え方を変容していたりなど、非常に大きな転換期を迎えていたケースが存在することがわかった。 MASAC-PD31については、①発症年齢とMASAC-PD31の全体得点及び各得点との間に有意な差はみられなかった。一方、罹患年数とMASAC-PD31の全体得点及び各得点との間でも、ほとんどの項目で有意な差はみられなかった。ただし、運動症状得点の中で、ジスキネジア、及び起床時の状態について、p=0.015で17年未満の群よりも17年以上の群で得点が高く、この部分のみ有意な差がみられた。②SEIQoL-DW得点が増加した群、減少した群と、MASAC-PD31の全体得点及び各得点との間に、有意な差はみられなかった。 なお、UUISについては、今年度から取り始めたところで分析は今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、41名の対象者に面接し、SEIQoL-DW、MASAC-PD31、およびUUISを実施した。ほぼ予定数だが、数名の患者には体調等の都合で直接会うことができず、やむなく電話、メール、郵送による調査となった。しかし、進捗状況には特に影響はなかった。また、新しい患者を3名加えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目以降もパネル調査として同じ患者に、SEIQoL-DW、MASAC-PD31、およびUUISを実施し、特にSEIQoL-DWの値と内容の変動について、研究者と対象者との対話、及びMASAC-PD31の値を踏まえて、前年度との比較を中心に考察する。また、対象者として新しい患者と出会えれば、新たに加えてゆく。さらに病気に対する不確かさ尺度(UUIS)についても、特にSEIQoL-DWとの関連において考えてゆく予定である。なお、途中経過については学会発表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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