2013 Fiscal Year Research-status Report
SEIQoL-DWによる経時的変化を用いた若年性神経難病患者のQOLに関する研究
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23593275
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
秋山 智 広島国際大学, 看護学部, 教授 (50284401)
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Keywords | SEIQoL-DW / 若年性パーキンソン病 / MASAC-PD31 / QOL / 神経難病 / ナラティブ |
Research Abstract |
本研究は、若年性神経難病患者(特に若年性パーキンソン病)の生活の質(Quality of Life:QOL)について、数年間経時的に“SEIQoL-DW”を実施することにより明らかになった変化の様相とその意味について分析し、若年性神経難病患者のQOLの特徴について明らかにすると共に、患者のQOLの向上に寄与する方策を検討することを目的とする。 若年性の神経難病患者(特に若年性パーキンソン病)は慢性進行性であるが、進行はゆっくりである。その長いスパンの中で患者の生活やQOLがどう変化し、何が原因でQOLが変化するのかを見極めるには、できるだけ長い期間の継続観察・測定が必要である。そこで本研究では、(1)5年の期間を使い、事前のアンケート調査と患者のライフヒストリー聴取を基礎として“SEIQoL-DW”を一人あたり1年に1度ずつ測定する。(2)その値と内容の変動について、研究者と患者自身との対話、およびMASAC-PD31(パーキンソン病疾患特異的尺度)などとの比較により考察する。 以上の計画に基づき、本年度は計画3年目であり、引き続き、主に若年性パーキンソン病の対象者に対して“SEIQoL-DW”を行った。今年度は新規の対象者も含めて43名に実施した。また同時に同じ対象者にMASAC-PD31も聴取した。なお、本科研の前の科研からも継続している対象者には、“SEIQoL-DW”をすでに最大8年継続しているので、QOLの変化の原因については、ある程度明らかになりつつある対象者もいるが、まだ研究全体では途中段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、43名の対象者に面接し、SEIQoL-DW、MASAC-PD31などを実施した。ほぼ予定数だが、数名の患者には体調等の都合で直接会うことができず、やむなく電話、メール、郵送による調査となった。しかし、全体的な進捗状況には影響はなかった。なお今年は新しい対象者を2名加えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
4年目以降も、パネル調査として同じ患者にSEIQoL-DW、MASAC-PD31などを実施し、特にSEIQoL-DWの値と内容の変動について、研究者と対象者との対話、及びMASAC-PD31などの値を踏まえて、前年度との比較を中心に考察する。また、対象者として新しい患者と出会えれば、新たに加えてゆく。さらに、次年度は病気に対するレジリエンス(心理的な回復力)との関係についても、SEIQoL-DWとの関連において検討したいと考えている。なお、途中経過については学会発表する。
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