2015 Fiscal Year Annual Research Report
SEIQoL-DWによる経時的変化を用いた若年性神経難病患者のQOLに関する研究
Project/Area Number |
23593275
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
秋山 智 広島国際大学, 看護学部, 教授 (50284401)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 神経難病 / 若年性パーキンソン病 / QOL / SEIQoL-DW / ライフヒストリー / ナラティブ / MASAC-PD31 / 看護学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、若年性神経難病患者(特に若年性パーキンソン病)の生活の質(Quality of Life:QOL)について、数年間経時的に“SEIQoL-DW”を実施することにより明らかになった変化の様相とその意味について分析し、若年性神経難病患者のQOLの特徴について明らかにすると共に、患者のQOLの向上に寄与する方策を検討することを目的とする。 59名に実施したSEIQoL-DW全364回の平均値は63.3±18.6であった。全1820個のキューの種類を分析した結果、若年層に特化したキューとしては、「仕事関連」「恋人・婚約者」「子育て関連」等があった。2年以上で複数回実施した48名のデータから、インデックス値の変動の原因を分析した。前年度に比し値が下降したケースでは、①自分自身の喪失体験、②家族の問題、③家族間の関係の悪化、が主な原因として挙がり、上昇したケースでは、①一度失ったものの回復、②代わる何かを得る、③考えの枠組みの変容、が主な原因であった。 次にMASAC-PD31を5回以上聴取した36名220回分の調査について分析を行った。まずMASACを構成する運動症状(on/off時の各得点)、非運動症状および総得点とSEIQoLの間には相関はなかった。7年間にSEIQoLとMASAC得点が両方とも上昇した人は3名(8.3%)で、両方低下した人は15名(41.7%)であった。初回と最終時のSEIQoLとMASACの各変化量を「上昇した・変化なし群」と「マイナス群」に分けpearsonのカイ2検定を行った結果、両者の間に関係性は認められなかった。また、各人の毎回の変化量についてもカイ2検定を行ったが、両者の間に関係性はなかった。以上のことから、全体的な症状の進行と主観的QOLには関係性がないことが明らかとなった。
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