2011 Fiscal Year Research-status Report
青年期以降に発症した1型糖尿病患者に対する支援プログラム開発のための研究
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23593276
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Research Institution | The Japanese Red Cross Hiroshima College of Nursing |
Principal Investigator |
山崎 歩 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 講師 (20457352)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 1型糖尿病 / 自己管理支援 / 血糖コントロール / 青年期以降発症 |
Research Abstract |
本研究は、青年期以降に発症した1 型糖尿病患者の血糖コントロールに対する患者のストラテジーの構造を明らかにし、インスリン治療を必要とする中での新たな生活スタイルの習得に向けた支援プログラム開発の基礎的研究とすることを目的とする。 2 型糖尿病は自己の生活習慣の管理、セルフケア行動の変容をいかに促すかが支援のキーとなるが、1 型糖尿病では生活の制限がない半面、活動・食事量・インスリン量の調整の"こつ"の体得が難しいと推測される。罹病期間の長い小児期発症の患者では、キャンプや医療者の長期的な支援を通して疾患理解や自己管理に対するスキル、対処法習得が大きい。しかし、青年期以降で発症した患者では、知識だけでは得られない"こつ"やスキル、対処法の習得に困難感も生じると推測される。それらを裏付けるように先行研究結果では、30歳以降の1型糖尿病患者は、同年代の一般成人と比較して自尊感情が低い、また思春期以降に発症した罹病期間が短い1 型糖尿病患者は、療養行動に伴う負担感が小児期発症患者より強く、血糖コントロールや合併症に対する課題・関心が高いなどの結果が示されている。そのような中で近年、劇症1型糖尿病に代表される青年期以降に発症した1型糖尿病に注目がなされるようになってきたにも関わらず、支援方法や研究がまだ多くはなされていないのが現状である。 そこで今年度は、糖尿病と同じく生活での自己管理を必要とする慢性疾患(心疾患・腎疾患等)患者の自己管理の習得方法やプロセス、看護者の支援方法について国内外の文献の検討を実施した。検討した結果を基に、インタビューガイドを作成し、今後順次対象者にインタビューを実施予定である。データ分析と同時に先行研究で示された慢性疾患患者の自己管理スキル習得プロセスとの比較や、小児期発症の1型糖尿病患者の自己管理スキル習得プロセスとの比較ついても検討を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所属施設及び対象者紹介先医療機関の倫理審査委員会の承諾に時間を要し、当初の計画より若干インタビュー開始予定が遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
倫理審査委員会の承諾を得て、6月より各対象者紹介先医療機関において対象者の依頼、インタビューを実施予定である。今回の研究では、対象者は10~15名を予定しておりデータは収集後、順次逐語録の作成とデータ分析を実施予定である。同時に、質的データを分析した結果を基にアンケート調査票を作成し対象者を拡大してアンケート調査による量的研究を実施する予定である。 平成23年度予算は、インタビュー旅費及び、インタビュー内容の分析まで含んだ研究費の計上であったが、若干、研究遂行予定が変更したため変更に伴い平成24年度に23年度予算計上分を繰り越し研究を実施予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
対象者へのインタビューの際の旅費、インタビューから得られた質的データのテープ起こし作業のアルバイト人件費として予算を計上した。また、質的データを基に作成予定のアンケート調査用紙の印刷費用およびアンケート送付・返信用郵送費も併せて計上した。同時に、アンケート入力時のデータ入力アルバイト人件費、データ分析ソフトの購入費として今年度の予算を計上した。 平成23年度に予定していたインタビュー及びインタビュー内容の分析を平成24年度実施計画へ変更したため、それに伴いインタビュー旅費、対象者及び対象者依頼施設等との打合せ旅費、インタビュー内容のデータ処理アルバイト人件費等が23年度予算計上分を繰り越して24年度使用計画研究費として計上を行った。
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