2013 Fiscal Year Research-status Report
発達障害の子どもと家族のための看護支援ガイドラインの開発とその検証に関する研究
Project/Area Number |
23593280
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
塩飽 仁 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50250808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 幸子 山形大学, 医学部, 教授 (30299789)
富澤 弥生 東北福祉大学, 健康科学部, 准教授 (60333910)
鈴木 祐子 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40431598)
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Keywords | 軽度発達障害 / 子ども / 家族 / 就学支援 / 看護職支援 / 学習ニーズ / 連携 |
Research Abstract |
軽度発達障害の子供をもつ母親の質問紙およびインタビュー調査を,山形,仙台,名古屋で継続して実施した。 平成25年度はこれまでに実施した軽度発達障害の子供をもつ母親の質問紙調査を集計,分析した(調査は継続しておりデータ収集実施中)。 発達障害をもつ子供の子育てに強いストレスを感じている母親を支援することを目的に,母親が療育に必要な情報や支援をどこからどれだけ得ており,どの程度支えになっているか把握するために3つの医療機関で質問紙調査を行い29名の回答を得た。 母親は情報・支援元として「病院(療育センター含む)」「本や雑誌」「インターネット」「他の子供の親」の順に活用していた。一方で実際に子育ての支えになったのは「病院」「他の子供の親」「本や雑誌」の順であった。「病院」では[子供に合わせた関わりに必要な内容][症状や治療内容の理解のための内容]を得ていた。「インターネット」「本や雑誌」は,情報・支援元にはなっても支えになっていないことが明らかになった。 これらの結果から,発達障害の子供をもつ母親は,多くの一般的な情報よりも,個別的かつ具体的な内容を得ることができる場所や媒体での情報提供や支援が,子育ての支えにつながったととらえていることが推察された。母親への支援を実施する際には,情報や支援内容によって適切な場所や媒体を選択し,継続して個別的かつ具体的に関わる必要性が示唆された。 母親の調査はさらに継続中で,インタビュー調査内容の分析は続行している。また,看護師に行った,良い対応例,困難な対応場面の調査結果も分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
発達障害を持つ子どもの就学支援における関連職種の連携については,連携モデルのプロトタイプを作成し,そのなかでの看護職の役割を明らかにできている。 また母親の育児に関する困難さや支援のニーズについては分析が終わり,必要な情報や支援をどこに集中させるべきかも把握できた。 さらに,種々の疾患を持ち病棟や外来で療養する発達障害の子供をケアする看護職者の知識やスキル,必要な研修内容も概ね把握することができている。 ガイドラインの試作は少々遅れているが,ガイドラインの普及と活用を展開するための準備を先に進めたためであり,全体的な研究計画はおおむね順調に進展していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度はガイドラインのプロトタイプ作成を行って研修会を試験的に開催する予定である。 1.障害を持つ子どもの母親のインタビュー結果を加えて支援ニーズの集約と分析を行う。2.これまでの研究成果と他の情報を集約して,発達障害の理解,早期発見から就学までの連携・支援,母親の支援を中心にガイドラインのプロトタイプ作成を行う。3.看護師の良い対応例,困難な対応場面の分析をまとめる。4.発達障害の理解と支援を充実させるために医療機関に勤務する看護師への研修会を開催して,研修効果を確認し,ガイドラインに対する意見を集約する。5.可能であれば学校の養護教諭に対しても前項同様の研修会を企画する。6.ガイドラインの改定修正を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は,ガイドラインのプロトタイプ作成を見送り,ガイドラインの普及と活用を展開するための準備を先に進めたことと,研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額である。 次年度使用額は,平成26年度請求額と合わせ,ガイドラインのプロトタイプ作成(検討・編集会議開催,印刷費用等)および小規模の試験的研修会開催,調査・分析費用等,平成26年度の研究遂行に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)