2013 Fiscal Year Research-status Report
口唇口蓋裂をもつ児の乳児期における育児支援プログラムの評価に関する縦断的研究
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23593284
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岡光 基子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 助教 (20285448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広瀬 たい子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (10156713)
寺本 妙子 日本橋学館大学, リベラルアーツ学部人間心理学科, 准教授 (20422488)
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Keywords | 育児支援 / 口唇裂・口蓋裂 / 母子相互作用 / 発達 |
Research Abstract |
口唇裂・口蓋裂をもつ児の母子相互作用について、児の発語がスムーズでないことや表情の変化が少なく、健常児に比べて反応性が乏しく、読み取りにくいことなど、様々な問題を抱えていることが指摘されている。口唇裂・口蓋裂をもつ幼児の行動と情緒、遊び場面における母子相互作用の特徴を明らかにし、その関連要因に関する検討を行うことで、そのような母子への乳幼児精神保健の理論に基づく介入モデルのあり方の検討を行うことを目的とし調査を実施した。研究対象に対して、外来受診時に母子の遊び場面の観察と質問紙調査を実施した。選定基準を満たした口唇裂・口蓋裂で治療後、通院中の2歳の児とその母親を対象とした。遊び場面の観察は日本語版NCATS (Nursing Child Assessment Teaching Scale)を用いてアセスメントし、外来受診時に外来に設置されている部屋でライブにて行い、ライセンスを持つ者がコーディングを行った。予め観察者内一致率90%以上であることを確認したのち、実施した。調査内容は、対象の属性、健康状態、子どもの発達および行動、母親の育児ストレスと抑うつ、母親の養育体験、ソーシャルサポート、母子相互作用であった。現在も、データ収集を継続している。また、研究者は介入研究のための準備として、英国にて育児支援に必要な乳幼児精神保健に基づいた技法を習得した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度までの成果をふまえ、介入研究の遂行については、すでに実施計画の変更をしている。口唇裂・口蓋裂をもつ児の母親について、まずは、育児支援プログラムの開発のためのより具体的な介入方法を検討することが必要とされる。また、データ収集を継続中であるが、選定基準を満たす対象の数に限りがあることから、目標件数を実施するには時間を要する。母子への効果的な育児支援を検討するうえでの一資料として、支援プログラム開発の具体的方法を提示するためには、継続する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、口唇裂・口蓋裂をもつ2歳の幼児とその母親を対象としたデータ収集を継続していく。幼児期の発達や行動の特徴を明らかにし、母子相互作用との関連について分析し、縦断的検討を行う予定である。また、これまでの成果について、学会での報告や論文発表を予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
口唇裂・口蓋裂をもつ児を対象の数に限りがあり、分析を行うにはまだ不足している状況である。幼児と母親を対象とし、発達を考慮したデータ収集により時間を要する。これについては、引き続きデータ収集を継続する。また、年度末に英国における介入方法の習得に関する講習を受け、その際の交通費などが事務手続き上、次年度の使用額となったことが理由として挙げられる。 引き続きデータ収集を実施するため、謝金は研究参加者への謝礼のほか、質問紙の回収のための通信費も必要である。また成果報告では発表論文の英文校正などを予定している。海外成果報告のための海外旅費を使用予定である。本研究を遂行するためいずれも必要な経費である。
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