2012 Fiscal Year Research-status Report
本邦における小児褥瘡の発症現況と病態の解明、および褥瘡予防寝具の開発
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23593288
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
高野 邦夫 山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (80125773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 眞里子 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (60289915)
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Keywords | 小児 / 褥瘡 / 創傷治療 / 寝具 |
Research Abstract |
科学研究費獲得により、小児の褥瘡の発症に関する臨床研究と、褥瘡予防の寝具の開発を進めることがより可能となった。小児、特に体重が500~5000gの患児での褥瘡予防の寝具の開発を行った。出生間もなくよりintensive careにより、長期の臥床を要する新生児や、乳児での褥瘡予防に最適なマットレスとマットレスシーツの選定を行った。選定した商品の評価には、科学研究費にて、購入しえた、繊細で密度が集中して測定できる対圧分散測定装置と、長時間の記録装置により、選定された製品を用いて、製品の比較研究を推進した。製品の比較研究には、300~5000gの人形を用いて、褥瘡発症病態の解明と、体動によるズレから発生する褥瘡に関する病態を評価するため実験モデルの開発と実験方法を確立した。実験研究では、種々の条件下(温度、湿度、人形の体重の差異、試用期間など)で、対圧分散、ヘタリ、製品の耐久性、安全性などを中心に、二年を費やして、詳細な比較研究を重ね、新生児から乳児での褥瘡予防に最適な寝具の開発を完成しえた。完成しえた寝具の再評価を行った後に、ベビーマットレスして商品化に成功した。すでに、広く全国で使用可能となり、その有用性が広く認められてきている。さらに、商品化したベビーマットレスの臨床評価を、全国の主要な小児医療施設、大学付属病院、新生児科、小児外科で行われ、その最終結果がまとめられ、横浜での国際学会でも報告し、高い評価得られた。ベビーマットレスの開発研究や、商品の有用性に関しては、国内はもとより広く国際学会でも報告して、高い関心と評価が得られてきた。今後は、重症心身障害児、二分脊椎や長期に臥床を要する5~10kgの患児の褥瘡予防の寝具の開発を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究企画に従い、順調に研究が進んでいる。新生児用の寝具の開発が達成され、すでに商品化して全国で使用が可能となっている。その臨床評価も行われ、高い評価得られた。小児例における褥瘡発生に関しての実態を明らかにするため、広く全国の新生児・小児を診療している施設や診療機関を対象として、アンケート調査を行い、アンケート調査を詳細に分析検討し、本邦の小児の褥瘡の現況が解明され、本邦の学会、および国際学会で発表し高い評価が得られたので、論文としまとめている。その結果を基盤に小児褥瘡予防の治療法を開発していく。 現時点での研究の達成度は、企画以上に進んでいて、満足しうる達成度と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
我々が開発しえた、新生児褥瘡予防寝具:ベビーマットレスを更に広く本邦で、使用しうる環境を整え、積極的に小児の褥瘡予防を推進していく。 さらに、科研費にて、購入しえた検査機器により5~10kgでの小児例での、褥瘡予防の寝具の開発を進めている。重症心身障害児や長期に寝たきりの状態が継続する小児例に対する、褥瘡予防の寝具の開発を行っていく。 本邦の小児褥瘡のアンケートによる臨床研究により、その現況が解明されてきたので、その結果を基盤に小児褥瘡予防の治療法を開発していく。 我々の研究をさらに推進し、従来ほとんど関心がもたれなかった、小児の褥瘡発症のメカニズムが解明され、小児の褥瘡を予防しうる新しい治療法と最適な寝具の開発を行っていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額(残額)が生じた要因は、国際学会への参加人数が、業務の事情から減少となっため、及び見込み額に対して低い価格でチケット購入ができたためであり、この残額と次年度の助成金を合わせた使用計画は以下のとおりである。 新生児褥瘡予防寝具:ベビーマットレスの開発に引き続き、5~10kgでの小児例での、褥瘡予防の寝具の開発を進めていくため、圧分散測定器具、データ解析機の購入を予定している。その研究の推進により重症心身障害児や長期に寝たきりの状態が継続する小児例に対する褥瘡予防の寝具の開発が可能となる。さらに我々の研究の成果の学会発表のための経費、本邦小児褥瘡実態に関する研究の論文作成に対する経費として用いる。
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[Presentation] SURVEILLANCE OF PRESSURE ULCERS IN JAPANESE CHILDREN
Author(s)
Miki Tashiro,Mariko Ishikawa, Miwako Nakano,Takayo Sasaki, Terumi Ichiroku,Yumiko Akiyama, Kunio Takano, Kazutoshi Miyamoto, Sanae Annzou
Organizer
4th Congress of the World Union of Wound Healing Societies : WUWHS 2012 YOKOHAMA JAPAN
Place of Presentation
PACIFICO YOKOHAMA(横浜市)
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