2011 Fiscal Year Research-status Report
更年期女性の包括的健康支援システムの構築に関する研究
Project/Area Number |
23593299
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
千場 直美 熊本大学, 大学院生命科学研究科, 助教 (90347005)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 更年期女性 / 更年期症状 / 睡眠 / アクティグラフ / 自律神経機能 |
Research Abstract |
更年期女性の健康維持改善プログラムの開発と更年期女性の健康支援システムの構築を目的として、更年期女性と取り巻く家族の健康状態の関係性を把握することを計画した。倫理申請の許可を受けたのち、実施計画中の調査2であげたライフイベントストレスによる日常生活と自律神経機能調査を開始した。特に更年期女性の不眠は更年期症状の一つでもあり、そのほかの健康問題やQOL低下を招く等問題が多い。そこで、更年期女性の睡眠の特徴と、自律神経機能と睡眠の関係性を明らかにした。一般的な健康更年期女性(45~59歳)14名、20歳代女性15名を対象に調査。睡眠状況は米国A.M.I社製アクティグラフを5日以上装着し、睡眠日誌の記入、アンケート記入(背景・更年期症状・眠気尺度・不安/うつ尺度・健康習慣など)を依頼した。分析対象は心身の慢性期疾患治療中の者を除いた更年期女性13名、20歳代女性12名。対象者の平均年齢は48.9±3.0歳、対照群は22.7±2.5歳だった。両群間に背景の差(更年期症状・眠気尺度・不安/うつ尺度・健康習慣などはみられなかった。更年期女性と20歳代女性の睡眠データを比較すると、更年期女性ではActivity Mean(平均身体活動数)の増加、Wake Minutes (全覚醒時間)の延長、Sleep Minutes(全睡眠時間)の短縮、%Sleep(測定時間帯に占める全睡眠時間の割合)の低下を認めた(p<0.05)。特に、Sleep Minutesは眠気(r=-0.69,p<0.05)と関連し、健康習慣との関連(r=0.70,p<0.05)が示された。本調査で一般的な更年期女性においても睡眠の質低下が示された。睡眠の質を改善するためには、健康習慣全体の改善が必要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付決定の遅れ、倫理審査許可の遅れ、対象者選定の遅れなどから研究実施の開始が遅れ、全体的にやや遅れていた。そこで、当初計画の順番ををやや変更し、対象者の確保ができた調査から実施を開始し、調査2であげていたライフイベントストレスによる日常生活と自律神経及び睡眠調査については、データ収集と一部データ解析が進んでいる。また、調査3にあげた更年期女性の健康支援の実態を明らかにし、社会的支援システムつくりを構築するためのアンケート調査を一部実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
H23年度に開始したライフイベントストレスによる日常生活と自律神経及び睡眠調査については継続して、データ数の増加を図る。また、前年度できなかった更年期家族に対する健康調査(アンケート調査)やインタビュー調査を実施し、データ分析を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・アンケート調査実施;印刷代金(10万円)、調査協力者謝金・交通費(20万円)、通信費(20万円)・インタビュー調査;調査協力者謝金・交通費(10万円)・自律神経及び睡眠調査;アクティグラフ(3台:55万円)、調査協力者謝金・交通費(20万円)、調査用消耗品(記録ペーパー、検査チップ等)(10万円)・成果発表旅費;(30万円)
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Research Products
(4 results)