2013 Fiscal Year Research-status Report
更年期女性の包括的健康支援システムの構築に関する研究
Project/Area Number |
23593299
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
千場 直美 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (90347005)
|
Keywords | 更年期 / 女性 / 睡眠 / アクティグラフ / 健康習慣 / 介護 |
Research Abstract |
更年期女性の健康維持増進を目的として、予防改善、健康維持増進を目的にした教育プログラムを開発・実施し、一定の効果をみた(千場,2010)が、更年期女性の精神状態や不眠について更に注目し、修正・改善する必要性があった。そこで、今回の研究では、更年期女性の睡眠の質について主観的・客観的にデータを収集し、関連要因についても客観的指標を用いて評価することとした。睡眠の質についてはアクティグラフを用いて客観的指標とし、同時に睡眠記録を記入してもらい主観的データと照らし合わせることとした。また、一般状態(妊娠・出産歴・既往歴・現病歴・治療歴など)、対象者背景(年齢・家族背景など)、不安・うつ尺度(HADS)、簡略更年期指数(SMI)、健康習慣(ブレスロー)、眠気尺度(JESS)など調査用紙に記入してもらった。昨年までに更年期女性と20代女性のデータを一部収集し、本年度は更にデータを追加した。対象者は更年期女性26名、対照は20~30代女性15名である。更年期女性の平均年齢は49.4±3.9歳(Mean±SD)、対照は24.7±5.1歳だった。SMI平均はそれぞれ29.1±17.8と15.4±8.2(p<0.05)、JESS平均は8.6±3.8と6.4±2.0(p=0.06)、HADS(不安)4.9±3.6と4.3±2.6、HADS(うつ)4.2±3.4と2.9±2.2、健康習慣4.0±1.2と4.4±0.6、いらだち尺度12.1±7.8と10.9±8.3だった。更年期女性の更年期症状と不安やいらだちは相関する要因であった(p<0.05)が昼間の眠気と関連はみられなかった。今後さらに詳しい睡眠分析が必要である。 また、更年期女性の健康状態に関連する社会背景として介護があり、介護中の女性にインタビュー調査を行った。介護そのものの疲労やストレスに加え、家族関係や職場との調整などの困難があった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
職場の異動に伴い、業務多忙、職場や地域環境の変化から研究フィールドの開拓、対象となる人の選定、調査準備に時間を要した。そのためなかなか調査開始できず、環境に不慣れなため調査も手間取った。 当初予定していた、アンケート調査未実施、睡眠調査のデータ分析・論文執筆・翻訳・投稿、インタビュー調査の実施・まとめの遅れが見られる。
|
Strategy for Future Research Activity |
1.現在調査中である、更年期女性の睡眠の質についてデータ分析を加え、成果発表及び論文投稿を行う。 2.更年期夫婦に対する大規模の質問紙調査の実施、データ分析、成果発表、論文投稿を行う。 1についてはデータ分析後、結果をまとめる段階にある。2.については実施準備段階にあり、早急に進める計画である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究の実施が遅れ、補助期間延長依頼し、承認され、1年間期間延長した。 研究成果発表のための旅費、論文投稿及び翻訳料金、未実施の調査用紙の印刷や郵送代金として使用する予定。
|