2013 Fiscal Year Annual Research Report
孫育て世代に対する包括的な健康支援の検討-孫育てにかかわる心身の負担の検討-
Project/Area Number |
23593300
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
遠藤 由美子 琉球大学, 医学部, 准教授 (90282201)
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Keywords | 孫育て / 身体活動量 / 健康関連QOL |
Research Abstract |
平成25年度は、質問紙調査と加速度計を用いた身体活動量測定を実施した。質問紙調査は、祖母の育児支援行動と身体活動量、健康関連QOLの実態を明らかにすることを目的とした。沖縄県内の保育所に通所する孫をもつ祖母120名より回答を得た。身体活動量が厚生労働省推奨量未満の祖母は、40・50代の群で41.4%、60・70代の群で35.5%だった。健康関連QOLは、60・70代の身体機能、体の痛みのQOLは40・50代に比べ有意に低かった。40、50代で未就学児のみの孫を世話している祖母は、就学児の祖母に比べ活力のQOLが低かった。一方、60、70代で直接的、社会文化的、家事的育児支援を行っている祖母は、全体的健康感、活力、社会生活機能のQOLが高かった。40・50代祖母は60・70代祖母に比べ有職者が有意に多く、就業しながら未就学児の育児支援をすることは心身の負担になっている可能性がある。一方、60・70代祖母は孫の育児支援が健康関連QOL向上につながっていることが示唆された。 身体活動量測定は、孫の育児支援が祖母の身体活動量に及ぼす影響を明らかにする目的で行った。沖縄県内で孫の育児支援をしている中高年女性55人を対象とした。65歳未満の44.8%、65歳以上の57.2%が3人以上の孫の育児支援をしていた。歩行の身体活動量は65歳以上が有意に多く、生活活動は65歳未満が有意に多かった。65歳未満の群では、育児支援をしている孫の数が多いほど身体活動量が多かったが、65歳以上の群では育児支援をしている孫の数と身体活動量の関連はなかった。本結果から身体活動量には年齢が影響していることが明らかになったが、想定していた影響因子(孫の数)は、65歳以上の祖母の身体活動量に影響していなかった。今後は支援している孫の年齢層や育児支援の種類の関連についても検討をすすめていきたい。
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Research Products
(3 results)