2012 Fiscal Year Research-status Report
小児心臓カテーテル検査・治療後の安全・安楽のための看護ケアガイドラインの開発
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23593304
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
宗村 弥生 青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (10366370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 由美子 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (60198249)
小川 純子 淑徳大学, 看護栄養学部, 准教授 (30344972)
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Keywords | 心臓カテーテル検査 / 小児 / 看護 / ガイドライン開発 / 安全・安楽 / 安静 |
Research Abstract |
心臓カテーテル検査・治療における看護ガイドラインの作成にあたり、23年度より引き続き看護師へのグループインタビューの分析を進めた。分析結果から、看護師達が子どもの安楽のために子どもの状態を見て安静時間や飲水制限を調整したり、家族と協同して子どもをあやすなど、さまざまな工夫をしていることが確認された。インタビューにより、日常的に看護師が意識せずに行っているケアが言語化されたこと、グループインタビューによって他施設の看護を共有したこと、この結果をガイドラインの具体的な例として含められることにつながったことは意義があった。また、患児と患児の家族にインタビューし、心臓カテーテル検査・治療の体験を語ってもらった。患児は検査前の麻酔注射等に不快感を覚え、患児の年齢によっては同室児の様子から自分で出血しないように気をつけていることもあった。また、検査後の嘔気など体調の悪さが患児や患児の家族の不安に影響していた。医師への実態調査では、心臓カテーテル・治療の施設での標準的な管理が明らかになり、ガイドラインに含めるパスウェイの日程や、薬剤、安静時間への考えの根拠になった。また、7月には全国の小児循環器看護に携わる看護師有志12施設20名とガイドライン検討会を行った。検討会において、ガイドラインが目指すもの、含める内容等についてグループワークをした。この結果より、インタビュー調査で明らかになった患児と家族の体験を中心としたガイドラインにすることや項目が具体的になった。研究メンバーだけではなく、多施設の看護師をガイドラインの作成過程で検討会をもったことで、完成後のガイドラインはより有効に使用されうると思われる。現在、項目ごとに分担し、ガイドライン案を執筆し、校正を重ねているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.看護師へのグループインタビュー結果分析:23年度に実施した調査の分析を終了し、7月の小児看護学会で発表予定である。分析で明らかになった看護師の具体的なケアをガイドライン内容に反映させる。 2.患児と家族へのインタビュー調査実施・分析:23年度から継続していたインタビューおよび分析が終了した。明らかになった体験を中心にガイドライン案の内容に反映させ執筆中である。7月の小児循環器学会で発表予定である。 3.医師への調査実施・分析:7月に郵送法にてアンケート調査を実施し、428通配布し128通の返送があった。分析を終了し7月の小児循環器学会に発表予定である。分析結果はガイドラインに含める薬剤、安静時間、視点などの根拠となりうる。 4.ガイドライン開発の検討会開催:7月に検討会を行った。小児循環器学会にて看護師に呼びかけたところ10施設20名の看護師が参加し研究メンバー含め30名でガイドラインの目的、含める内容、ガイドラインの使用方法などについてグループワークおよび検討を行った。この検討会は各施設での困り、工夫など看護ケアを共有する場にもなった。ガイドラインの目的と内容構成に示唆が得られた。 5.ガイドライン案執筆開始:検討会の結果を踏まえ、研究メンバーで目次と内容を何度も討議した。研究メンバーで分担執筆し医師と薬剤師にも執筆依頼し、現在ガイドライン案の校正をしているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
1.ガイドライン案の発表・意見交換・アンケート実施:完成したガイドラインの使用者および調査協力者でもある日本小児循環器学会参加者とガイドライン案を共有するために、7月の学会多領域専門職部門の交流セミナーで本ガイドライン案を参加者に配布し内容の紹介と意見交換を開催する。アンケート調査を実施し、ガイドライン案の評価を受ける。 2.ガイドライン案の修正・完成:1で明らかになったガイドラインの評価、修正すべき点を再度検討し、最終的なガイドラインを作成し、完成する。 3.24年度までの調査結果を学会で発表:これまでに実施した看護師へのグループインタビュー、患児と家族へのインタビュー、医師への調査結果を学会で発表する。発表時での意見交換で、看護ケアに示唆が得られこれもガイドラインに反映できる。 4.作成したガイドラインの配布:完成したガイドラインを各施設で使用してもらうために、調査協力者の所属する施設および交流セミナー参加者のうち希望者に配布する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.ガイドライン案作成・アンケート作成費用:300部作成する。ガイドライン案は仮製本としアンケート用紙、封筒代含め6万円程度 2.ガイドライン作成作業会議費(交通費)として、1回13万円×4回で52万円、研究メンバーが全国各地に分かっているため交通費が必要である。 3.小児循環器学会交流セミナーの会場設備レンタル代、ポスター作成費用として6万円 4.メンバー以外の執筆者への謝礼:ガイドライン原稿執筆者(医師、薬剤師)への謝礼として5万円 5.ガイドライン完成・製本・郵送代:300部製本作業のアルバイト代、印刷代、各施設への郵送費として20万円
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Research Products
(2 results)