2011 Fiscal Year Research-status Report
助産師の専門職アイデンティティの発達を促す教育プログラムの開発と検証
Project/Area Number |
23593306
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Research Institution | Chiba Prefectural University of Health Sciences |
Principal Investigator |
林 ひろみ 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (90282459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 邦子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (70247302)
川城 由紀子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 講師 (20337108)
北川 良子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 助教 (80555342)
白石 澄江 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 助教 (10600869)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 助産師 / アイデンティティ / 教育プログラム |
Research Abstract |
助産師資格取得前後の助産師における専門職アイデンティティの発達を促すために、ナラティブアプローチを用いた教育プログラムを関発することを目的とし、平成23年度は【研究I】として、助産師資格取得前後の助産師における専門職アイデンティティ発達プロセスとその関連要因を明らかにすることを目的に、新人助産師とおおむね2年の助産師経験を終えた助産師を対象として研究に取り組んだ。新人助産師を対象とした研究では、千葉県看護協会主催の新人助産師研修「リフレクション」の参加者のうち、研究参加の同意が得られた入職後7か月の新人助産師21名を研究対象とした。グループディスカッションにより語られた「助産師であることの誇りややりがい、困難さや課題を感じた体験」を分析対象とし、意味内容を損なわないように要約し、意味内容の同質性・異質性に基づき分類した。語られた体験は、「助産師であることの誇りややりがいを感じた体験」が4、「助産であることの困難さや課題を感じ体験」が17であった。困難さや課題を感じた体験のうち、体験が自己の成長につながったと意味づけられていたものは2のみであった。現在、報告された体験と専門職アイデンティティとの関係について分析をすすめている。おおむね2年の助産師経験を終えた助産師を対象とした研究では、研究対象者をネットワークサンプリングにより抽出した。半構成的インタビューにて語られた「助産師経験2年を終えた時点での助産師としての行動を決定している規範となる価値観、信念、姿勢と、現在の専門職アイデンティティに影響を及ぼしている体験」を分析対象とし、意味内容を損なわないように要約し、個々の専門職アイデンティティに影響した体験と体験に伴う感情や思いを時系列に整理したのち、全対象者の専門職アイデンティティに影響した体験を類別し、関連要因として整理する。現在もデータ収集と分析を継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
【研究I】のおおむね2年の助産師経験を終えた助産師を対象とした研究において、ネットワークサンプリングにより研究対象者の抽出と研究依頼を行っているが、研究対象者の抽出に時間を要しているために、現在も対象者の抽出およびデータ収集と分析を継続している状況である。このため平成23年度に達成目標としていた「助産師の専門職アイデンティティの発達モデル」の作成ならびに「ナラティブアプローチを用いた教育プログラム」の考案が、計画より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、【研究I】の分析と並行しながら、【研究II】専門職アイデンティティの発達を促すためのナラティブアプローチを用いた教育プログラムの考案をすすめる。【研究III】として、【研究II】で考案した教育プログラムを助産師学生と新人助産師に対して実施し、実施した教育プログラムに対する評価を行う。平成24年度は、助産学生に対しては、助産学実習前と実習後(卒業前)の時期に、新人助産師に対しては入職6か月後と9~10か月後に教育プログラムを実施する計画である。教育プログラムの内容は、1グループ5名程度の小グループを編成し、【研究I】および【研究II】で明らかにされた専門職アイデンティティに関連する体験について各自が記述したものを題材とする。研究者によるファシリテーターのもとグループディスカッションを行い、体験を意味づけていくものであり、1回90分にて実施する計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.【研究I】の面接調査の継続および【研究III】の教育プログラム実施のための費用として、面接調査を実施するための交通費・謝金、同様に教育プログラムを実施するための交通費・謝金、面接および教育プログラム実施内容の録音内容のテープ起こし(業者委託)を計上する。2.【研究II】において教育プログラム試案における専門家からの意見聴取を行う際の専門家に対する交通費・謝金を計上する。3.【研究III】教育プログラムの実施に向けて、研究メンバーのファシリテーターとしての能力を向上させるために、コーチングトレーニング研修に参加するための研修費および交通費を計上する。4.研究成果発表および教育プログラムに関する情報収集のために、学術集会に参加するための交通費・日当・宿泊費を計上する。
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