2012 Fiscal Year Research-status Report
新生児の倫理的意思決定における看護師‐医師コラボレーションの方略
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23593309
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Research Institution | Yamanashi Prefectural University |
Principal Investigator |
井上 みゆき 山梨県立大学, 看護学部, 教授 (80347351)
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Keywords | 新生児看護 / 倫理的意思決定 / 小児看護 |
Research Abstract |
重篤な新生児の倫理的意思決定過程における看護師と医師のコラボレーションの認識と、コラボレーションに影響する要因を明らかにした。対象は、全国の総合周産期母子医療センター73施設のうち、研究の承諾が得られた20施設の新生児集中治療室・新生児回復室に勤務する看護師553名(62.3%)と医師103部(81.6%)である。看護師と医師のコラボレーション得点は、すべての項目において平均得点が3.5以上と高かった。しかし<責任は共有している>以外の項目において、看護師よりも医師の方が有意にコラボレーションに認識が高かった。 看護師と医師のコラボレーションの得点と<仕事をやめようと思ったことがある>との関連は、認められなかった。 看護師のコラボレーションに影響する因子は、次の8項目で有意差を認めた。新生児看護経験年数、治療に関する倫理委員会の有り、看護師と医師が参加する回診、看護師と医師の意見対立を解決する体制、看護師のキャリアアップ支援体制、医師は日常の診療に看護記録を参考にする、医師に治療の疑問を聞いているであった。医師のコラボレーションに影響する因子は、次の項目で有意差を認めた。死亡した子どものことを話し合うカンファレンス、看護師と医師が参加するカンファレンス、看護師と医師の意見対立を解決する体制、医師は日常の診療に看護記録を参考にするであった。 看護師よりも医師の方がコラボレーション得点が有意に高いことは、重篤な新生児の倫理的意思決定過程において、自由なコミュニケーションを行い、計画を一緒に立て、協働して合意形成をするとは、どのようなことであるか、看護師と医師の認識を一致させる必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度(平成23年)、東北地方太平洋沖地震により質問紙調査が遅れた影響による
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Strategy for Future Research Activity |
質問紙調査により、明らかになった看護師のコラボレーションに影響する因子を参考にして、介入研究を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
介入研究に参加する医師、看護師等の旅費、参加費 学会参加費 研究データ入力費 研究補助者の人件費 文具
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Research Products
(3 results)