2011 Fiscal Year Research-status Report
自律神経活動量を指標とした産後適正体重管理プログラムの実証
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23593312
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
眞鍋 えみ子 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (30269774)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 褥婦 / 自律神経 / 体脂肪率 / BMI |
Research Abstract |
[目的]出産後から育児期の女性の肥満及び隠れ肥満の予防としての自律神経活動の活性化の意義を探ることを目的に、産後1年のBMI(body mass index)や身体組成を調査し、適正体重に維持できている女性(BMI25未満、体脂肪率25%未満)と肥満及び隠れ肥満をきたした女性を比較し、自律神経活動量や生活行動の違いや特性を明らかにする。[方法]定期的に健診を受診し、妊娠経過及び分娩経過において合併症のない褥婦を対象として質問紙調査(健康状態、妊娠・産後の経過、生活習慣、食生活習慣、睡眠の状況)と身体組成の測定(体組成計による体水分量・筋肉量・体脂肪率・内臓脂肪)を行った。[結果]自律神経活動動態は、まず、CM5誘導の心電図を多チャンネル生体アンプで増幅し、1024HzでA/D変換を行った。次に、R-R間隔を2Hzの時系列データに変換し、高速フーリエ変換を行い、心拍変動中に含まれる周期成分の周波数とその強さを算出した。さらに、低周波成分〈LF)と高周波成分(HF)に加え、超低周波成分(VLF)を定量化し、(VLF+LF)/HF比を交感神経活動指標(SNS Index)、HF/Total比を副交感神経活動指標(PNS Index)とした。PNS Indexは産後1週では0.214~0.759、1ヶ月 0.121~0.842、4ヶ月0.249~0.726を示し、SNS Indexは1週 .318~3.670、1ヶ月0.188~7.231、4ヶ月0.377~3.019であった。体脂肪率は1週 12.2~40.7%、1ヶ月 22.6~42.2%、4ヶ月23.6~37.4%であり、BMIとの相関を見たところ、0.58~0.97と高い相関を示した。さらに、産後4ヶ月の時点でBMI25以下を示すものの体脂肪率25%以上は75.0%であり、隠れ肥満をきたしていることが明らかにされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の研究計画は、(1)平成23年度の測定・調査の継続とデータ解析、(2)データ解析に基づいた育児期の女性の生活を考慮した産後適正体重管理プログラムの提案であるため、24年度は、23年度の調査を継続して行い、データの解析とそれに基づいたプログラム提案へと繋げる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、(1)平成23年度の調査の継続とデータ解析と(2)データ解析に基づいた育児期の女性の生活を考慮した産後適正体重管理プログラムの提案である。平成25年度は、(1)24年度に作成した育児期の女性を対象に開発した産後適正体重管理プログラムの実施と効果検証を行い、その成果を公表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度にかけて実施予定の個別の生活実態調査に必要な機器(生活習慣記録機:ライフコーダPLUS)を揃える。その他、大きな割合を占めるものが、データ解析に必要な消耗品費、調査用の交通費である。
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