2013 Fiscal Year Research-status Report
入院している被虐待児をケアするためのガイドラインの作成
Project/Area Number |
23593313
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
鎌田 佳奈美 摂南大学, 看護学部, 教授 (30252703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 あや 兵庫医療大学, 看護学部, 准教授 (20290364)
辻 佐恵子 北里大学, 看護学部, 講師 (70422889)
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Keywords | 子ども虐待 / 小児看護師 / 自己効力感 / 家族支援 |
Research Abstract |
今年度は不適切な養育の子どもと家族を支援する小児看護師の自己効力感に関連している要因を明らかにすることを目的とし、全国300床以上の病院および小児専門病院を対象に質問紙調査を行った。小児看護師への質問紙調査の結果をもとに不適切な養育の子どもと家族へのケアのガイドラインを作成することで、小児看護師の自己効力感を高め、積極的な子育て支援につながることを期待する。 調査対象者は300床以上で小児病棟を有する病院、児童精神科を有する病院および小児専門病院の看護師950人に質問紙を配布し、個別に郵送で回収した。質問内容は、看護師の属性、不適切な養育の子どもと家族に対する認識および支援に関する看護師の自己効力感について、「そう思う」から「そう思わない」までの5段階リッカート法で回答を得た。有効回収率は56.6%。看護師の6割近くが総合病院勤務であり、約半数が虐待関連の研修を受けた経験をもっていた。病院に虐待対応委員会があるのは4割であり、通告の義務については8割が知っていると回答した。7割以上の看護師が「他機関連携が必要」とし、6割が「虐待を疑えば他機関に連絡することができる」と回答した。不適切な養育の家族には、7割以上の看護師が「積極的な子育て支援が必要」としたが、半数近くは「家族にどう関わってよいかわからない」とし、「拒否的な親に関わることができる」としたのは3割であった。さらに、子どもの試し行動やパニック行動に「対応することができる」としたのは2割にも満たなかった。 機関連携に対する看護師の認識は高まっているが、子どもと家族の関わりについて自己効力感が高い看護師は少なく、子どもと家族への関わりの困難さが示唆された。さらに分析を詳細に実施し、その要因の探求につなげたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度内に看護師を対象とした質問紙調査の結果分析を終え、ガイドライン作成を行う予定であったが、質問紙調査の実施が予定より遅れたため、現在は回収した看護師からの調査結果を分析中である。調査が遅れた理由として、質問紙作成およびプレテストの実施が予定より時間がかかってしまったこと、倫理審査申請のタイミングが遅れてしまったこと、さらに予定より調査を承諾した病院および質問紙返信数が多かったことがあげられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はデータの詳細分析を行う予定である。主には病棟看護師と外来看護師のデータの比較、経験年齢による比較、病院による比較など統計学的な手法を用いて実施し、それぞれの傾向および看護師のニーズを明らかにする。また、看護師の自己効力感を高める要因を明らかにしモデルの検証を行っていく。以上の結果をもとに、被虐待児をケアにするためのガイドラインの作成につなげていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
質問紙の作成およびプレテストに時間を要したこと、倫理審査申請のタイミングが遅れてしまったこと、予想以上に調査協力病院が多かったため、発送作業等に時間を要し調査の実施に遅れが生じた。年度末に質問紙の回収が全て終了し、これから結果の分析、まとめを行う予定である。 次年度の使用計画としては、回収できた調査データの分析を行い、結果をまとめガイドラインを作成する。それらを冊子とするための印刷費用と調査協力病院へ送付するための郵送料に使用する。
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Research Products
(4 results)