2011 Fiscal Year Research-status Report
更年期女性の健康増進に向けた行動変容を促す健康貯金ノートを用いた介入プログラム
Project/Area Number |
23593316
|
Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
中西 伸子 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (10441388)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
町浦 美智子 大阪府立大学, 看護学部, 教授 (70135739)
斉藤 早苗 梅花女子大学, 看護学部, 教授 (40269858)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 更年期女性 / 健康貯金 / 行動変容 |
Research Abstract |
23年度の研究目的は健康貯金ノートの作成に向けて、更年期女性が自身の健康行動を客観的に判断できるデータは何か、さらに健康行動をアセスメントした内容の記録方法や記入しやすい方法等を検討することであった。健康行動をアセスメントするためのデータや更年期女性のノート活用についての現状、記録することについての意識を明らかにするためにフォーカスグループインタビューを実施し、健康貯金ノートの試案についても意見を得た。(1) 調査対象:研究に参加協力の同意が得られた慢性疾患のない40~60歳の女性(2)方法:フォーカスグループインタビュー(3)期間:奈良県立医科大学医学部医の倫理委員会承認後、平成23年9月~11月(4)結果:研究協力者13名(平均年齢50.9歳)が参加し、以下に集約されるデータを得た。1)健康状態や健康行動のアセスメントについては(1)データとして数字だけを聞いてもわからないので、必要な情報と健康につながるデータを教えてほしい(2)更年期についてや更年期に必要な情報を知りたい(3)どんな運動がいいか知る必要がある。(4)健康行動を続けられる方法が知りたい。2)記録についての意見は、日記をつけている人が2名、手帳は8名が持っており、あとの3名はカレンダーに予定等を書くという行動であった。記録する内容としては、仕事の予定、家族のイベントや約束が主であり、健康に関連して毎日している記録は、晩の献立を記入しているが1人のみであった。3)健康貯金ノートの試案への意見は、(1)書式について、字が小さい、自由欄が少ない、書くことが多い、大きさの希望等があった。(2)記入すること自体には、毎日書く自信がないという意見と、自分のことを書いていくことも必要だと思うという意見が得られた。得たデータをもとにカテゴリー化して発表する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
23年度の研究目的は健康貯金ノートの作成に向けて、更年期女性が自身の健康行動を客観的に判断できるデータは何か、さらに健康行動をアセスメントした内容の記録方法や記入しやすい方法等を検討することであった。研究協力者13名(平均年齢50.9歳)の結果から1)健康状態や健康行動のアセスメントについては(1)更年期の知識を持つ必要性(2)数字を見てアセスメントできる能力の必要性(3)更年期に身体活動の必要性(4)健康行動を続ける必要性、の認識があることが分かった。さらに記録することについて仕事の有無で差はあるものの、手帳の利用状況や健康行動について記録する習慣がないことが分かった。健康貯金ノートの試案への意見は、検討事項が明らかになり、24年度の使用に向けて修正していく。記入すること自体には、毎日書く自信がないという意見と、自分のことを書いていくことも必要だと思うという意見が得られた。このことから、書きやすさと続けられるようなモチベーションにつなげる必要がある。23年度の研究課題は達成されたと考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
更年期女性の健康行動は、各個人が自分自身のために、身体活動を取り入れ、日常生活の中で身の回りのことを積極的に実施することが重要である。更年期女性のセルフケア行動を支援することは、主体的な健康生活を送れることに繋がる。国内では更年期女性のセルフケア行動促進に着目した研究は少なく、23年度の結果からも記録行動に関しては、日常の健康の記録としての手帳の活用への意識は低い。骨粗しょう症予防の観点からも、骨量の減少を防ぐために、自分自身で積極的に更年期に必要な運動を生活習慣に取り入れるようなセルフケアの視点が必要である。そこで24年度は、更年期女性の健康増進に向けた行動変容を促す健康貯金ノートを用いた介入プログラムを作成し、更年期女性を対象に、支援プログラムを用いて介入することで、身体活動増進にむけたセルフケア行動の促進を目指す。1.対象者:プログラム参加時点で継続中の運動がなく、40歳~60歳の治療中の慢性疾患のない女性とする。2.方法:健康教育として、更年期の心身の変化、更年期からの運動の必要性などを実施し、更年期についての正しい知識と情報を得、健康増進のために身体活動増進にむけてセルフケア行動を促進する必要性を理解する。さらに、身体活動増進のためのセルフケア行動の促進に向けて、健康貯金ノートを活用し、次回からグループワーク時に実施内容のアセスメント、行動計画の修正等を実施する。現在、使用する健康貯金ノートの修正、また、グループワークの回数や、実施する身体活動内容等について検討中である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度購入予定物品:(1)介入プログラムを実施する施設設備(対象者に貸与物品/介入評価に使用する機器/グループワーク時や部屋の環境整備物品等)(2)パンフレット印刷等(3)研究学会出張費(4)研究関連書籍(5)その他等23年度繰り越し金については、タニタ活動量計カロリズムAM120PR(25,000×6)及び研究関連図書8,000購入予定
|
Research Products
(2 results)