2013 Fiscal Year Research-status Report
高次脳機能障害者の家族のFamily Hardiness支援教育マニュアルの作成
Project/Area Number |
23593318
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
瓜生 浩子 高知県立大学, 看護学部, 准教授 (00364133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野嶋 佐由美 高知県立大学, 看護学部, 教授 (00172792)
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Keywords | 家族看護 / 高次脳機能障害 / Family Hardiness |
Research Abstract |
本研究の目的は、脳外傷性高次脳機能障害者と共に生きる家族が、高次脳機能障害に伴う困難に直面しながら、当事者との相互作用および社会との相互作用の中で、どのような体験をしているのかをFamily Hardinessの視点から明らかにし、それを基にした家族への教育マニュアルを作成することである。 平成25年度は前年度に引き続き、Family Hardinessがどのような体験の中で生み出され、強化されていくのかについて、データを追加して分析と洗練化を行い、その結果から、脳外傷性高次脳機能障害者と共に生きる家族のFamily Hardinessの特質と強化方法を導き出した。Family Hardinessの特質としては、Family Hardinessの構成要素である「Commitment」「Challenge」「Control」「Confidence」が、家族が当事者に伴走し、当事者を育て直し、社会に戻し、日常の中に障害を取り込んでいくといった局面の中で、それぞれに特有な形となって表れていた。また、Family Hardinessを強化する方法としては、家族がCommitmentと目標を持てるようにすること、各時期に起こりやすい課題を理解し先の見通しを持てるようにすること、支え合える仲間を見つけられるようにすることなどが重要と考えられた。 これらの結果をもとに、家族への教育マニュアルの作成に取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Family Hardinessの特質とその強化方法の抽出に予想以上の時間を要し、家族への教育マニュアルの作成が遅れ、年度内にそれに対する評価を得て洗練化するまでには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
脳外傷性高次脳機能障害者の家族およびその支援を行っている専門職者を対象としたフォーカスグループインタビューを行い、作成した家族教育マニュアルの原案についての評価を得る。得られた意見をもとにマニュアルを修正、洗練化する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
脳外傷性高次脳機能障害者と共に生きる家族の体験からFamily Hardinessの特質とその強化方法を抽出するために、データ収集と分析を行ったが、データ量が多く多様であったため予想以上に時間を要した。それに伴い、家族教育マニュアルの作成が遅れ、脳外傷性高次脳機能障害者の家族と専門職者による評価を得るまでに至らず、データ収集と報告書作成ができなかったため、未使用額が生じた。 作成した家族教育マニュアルについて、脳外傷性高次脳機能障害者の家族およびその支援を行っている専門職者による評価を受けるためのフォーカスグループインタビューを次年度に実施することとし、それにかかる旅費、謝金、さらに報告書を作成、研究成果の学会誌投稿のための経費に未使用額を充てる予定である。
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