2015 Fiscal Year Annual Research Report
帝王切開分娩を経験した女性のための出産選択への支援:看護職者による決定援助の評価
Project/Area Number |
23593320
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
鳥越 郁代 福岡県立大学, 看護学部, 准教授 (30217591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 静 福岡県立大学, 看護学部, 助教 (30453236)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 反復帝王切開 / VBAC / 共有意思決定 / 決定援助 / インフォームドチョイス / 介入研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、帝王切開分娩を経験した女性が、次子の出産選択の意思決定に直面する際に、看護職による決定援助を提供し、その介入効果について評価することである。最終年度となる平成27年度は、平成24~26年度において,介入研究を実施したデータ(N=39)の分析を行い、以下のような評価が得られた。 1) 決定に関する葛藤の軽減と知識の向上:決定に関する葛藤スコアの平均値は、2.75 から2.03へと有意に低下し(t値:-8.89, p<.0001)、知識スコアの平均値は7.28から10.00へと有意に増加した(t値:6.98,p<.0001)。 2) 介入前後の出産選択と最終の出産結果:介入前は、24名/39名(61.5%)が、VBACを希望していたが、介入後20名、最終的にVBACに成功した女性は、15名(38.4%)であった(試験的経腟分娩後に緊急帝切となった女性は、4名であった)。一方、介入前に帝王切開(帝切)を希望していた女性は、5名/39名(12.8%)であったが、介入後16名、最終的に帝切での出産となった女性は20名(51.2%)であった。その理由として、妊娠経過に伴う女性自身の意向の変化、医学的な適用(切迫早産、妊娠性糖尿病、骨盤位)、そして予定日超過に対する病院の方針などが挙げられた。 3)出産に対する満足度と意思決定プロセスの質的分析の結果:VBACに成功した女性は、帝切出産の女性と比較し出産満足度が有意に高かった(VBAC:9.13 vs 帝切:8.04 )(p<0.05)。また産後1か月後のインタビューの分析から、意思決定プロセスにおける女性の経験として、「出産選択について情報を得る」、「自分自身の意思決定に向き合う」、「支援されているという思い」の3つのカテゴリ-が抽出された。
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