2012 Fiscal Year Research-status Report
母乳育児経験のある更年期女性の脂質代謝・動脈硬化プロフィールと更年期症状
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23593323
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Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences |
Principal Investigator |
梅野 貴恵 大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (70382447)
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Keywords | 母性・女性看護学 / 助産学 / 更年期医学 / 脂質代謝異常 |
Research Abstract |
本研究の目的は、更年期女性の脂質代謝・動脈硬化プロフィールや更年期症状を調査し、授乳経験の有無や授乳経験の長さにより比較し、授乳経験が脂質代謝に影響を及ぼしていることを明らかにすることである。これまでに、一般の中高年女性の脂質代謝データとホルモン状態や授乳経験との関係で述べられたものはなく、成熟期からの継続した女性の健康管理を検討する上での基礎資料となることが期待される。 平成23年度に開始した調査の継続実施を行った。調査項目は、1、エストラジオール、FSH、プロラクチン、抗ミュラー管ホルモン(AMH/MIS)、総たんぱく、リポたんぱく、総コレステロール、高密度リポタンパク-コレステロール(HDL-C)、低密度リポタンパク-コレステロール(LDL-C)、トリグリセリド(TG)、カルシウム、血糖、骨代謝マーカー(NTX、BAP)を採血管2本の血液採取により測定。2、オムロン社製formPWV/ABIを用いて、 PWV(脈波伝播速度)を測定。3、体重、体脂肪、活動量計(TANITA カロリズム)を用いて活動量測定。4、出産後の児への栄養法、SMI(Simplified Menopausal Index)、生きがい感、夫婦関係満足感などの項目を自記式質問票を用いて調査した。調査対象者の採血・身体計測、調査票の説明等は研究者と調査補助者(有看護師資格)で実施した。PWVの測定は、国立病院機構別府医療センターの検査科において、検査技師の協力を得て実施した。得られた検査データを研究協力者の国立病院機構別府医療センター産婦人科角沖久夫部長と検討し、調査協力していただいた対象者に、検査結果と結果についての簡単なコメントをつけ謝礼とともに返却した。現在、第1回目の調査結果のうち、TGとPWVについて、月経有無別に1年以上の授乳婦群と非授乳婦群に区分し、解析を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
交付申請書に記載した研究実施計画にそって、調査を実施したが、当初の予定より、半月~1か月遅れの調査実施となっている。対象者全員の3回目の調査を終了したのが、平成25年3月となり、データの解析を行っている途中である。
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Strategy for Future Research Activity |
初回調査結果のデータを、月経有無別に授乳婦群と非授乳婦群に区分し、心理社会的要因の項目、食習慣や運動習慣に差がみられないか検討したのち、ホルモン状態、脂質代謝・動脈硬化プロフィールや更年期症状を分析する。分析結果に基づき、論文作成を行う。データ収集は、1回目調査から半年後と1年後の計3回実施する予定であった。41名の協力を得られたが、転居等の事由により2回目以降の継続調査が困難なものもあり、3回分のデータを確保できたのは、34名となった。この34名の1年間のデータの推移を検討していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
交付申請書の計画では、対象者を50名募集する計画にしていたが、41名の調査協力にとどまったため、当該年度の予算をすべて支出するには至らなかった。対象者を再度募集する計画をしたが、対象者の都合等により、調査開始には至らなかった。次年度は調査データの入力作業や書類整理などの人件費、データ解析、論文作成等にかかる物品費、論文の発表等の旅費、研究協力者への謝礼等に使用する予定である。
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