2012 Fiscal Year Research-status Report
子ども虐待予防の新しいアセスメントツールと支援に関するアクションリサーチ
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23593324
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Research Institution | Okinawa Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
上田 礼子 沖縄県立看護大学, その他の研究科, 名誉教授 (80010015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉城 清子 沖縄県立看護大学, その他の研究科, 教授 (60326501)
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Keywords | 子ども虐待予防 / PACAP / USDT / 親役割学習 / 偽陽性の低減 / 地域支援 |
Research Abstract |
目的は子ども虐待予防の新しい戦略としてポピュレーション・アプローチとリスク・アプローチに基づきPACAP(Pre-Assessment of Child Abuse Prevention)とUSDT(上田式子ども発達簡易検査)を子育て現場に導入し、関連職種間連携とコミュニケーションを促し、地域での取り組みに資することである。本年度の実績は以下の1)、2)であった。 1)PACAPの活用と効用:①乳幼児538人の親を対象としたPACAPの回収率は83.1%であり、PACAPのアセスメント結果は「真のリスク者」16人3.6%、偽陽性38人8.5%、未回収91人16.9%であった。②「真のリスク者」16人の潜在的ニーズを家庭訪問調査および医療機関からの情報に基づき検討した結果、25%(4/16人)は医療機関受診中であったが75%はリスクがあるにも関わらず「自ら相談を求めない」潜在的ニーズを有していた。③PACAPリスク得点が高くかつ適応得点が低い87.5%(14人)と、リスク得点が低くかつ適応得点も低い12.5%(2人)があった。④第1回PACAP実施から3~6ヶ月経過後に「リスク親子」16組を対象に第2回PACAPを実施した結果、回収された11人のリスク得点は全員が前回に比較して低下あるいは変化なく、高くなった者はなかった。一方、適応得点は1人を除き増加していた。 2)異質なグループ・メンバーの構成による参加型の親役割学習の効用:a.リスク親子、b.親の自発的相談希望、c.その他の3種類の親から構成されるグループを対象とした「子育て交流会」を1クール(連続3回)実施し、実施後に態度・行動の変化を目的に対応した3段階で評価した。その結果参加者全員が発言し、「内容を理解できた」と交流会を肯定的に評価しており、異質なグループ・メンバーによる活動は親役割学習に有効であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
PACAP未回収者への対応および母子推進員の育成に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
都市部におけるPACAPのインターネット・システムの開発を試みており、実用化に向けて検討を継続していく計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
①「親役割の学習支援」のためにファシリテーターの養成を必要としている。 ②k島地域における「子育て支援体制」の新たな構築に向けて、「母子保健推進員の教育」とPACAP未回収者、およびリスク者を対象 とした、継続的支援体制の確立が今後の課題である。
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Research Products
(9 results)