2013 Fiscal Year Research-status Report
周産期喪失後の危機的状況を夫婦で歩み新たな家族をつくる物語
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23593341
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
蛭田 明子 聖路加国際大学, 看護学部, 助教 (80584440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 尚子 静岡県立大学, 看護学部, 教授 (50285053)
堀内 成子 聖路加国際大学, 看護学部, 教授 (70157056)
實崎 美奈 聖路加国際大学, 看護学部, 助教 (80412667)
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Keywords | 周産期喪失 / グリーフ / 家族 / 夫婦 / 語り |
Research Abstract |
本研究は、周産期の喪失を経験した夫婦が、子どもを亡くした後の危機的状況に対処していくうえで役立つ支援を提供することを目的に行っている。 研究初年度(平成23年度)は、文献検討及び国内の看護師・助産師にヒアリングを実施した。平成24年度は、両親を主体にしたケアが日本より進んでいるアメリカの有識者から専門的知識の提供を受け、ケアにおける概念枠組みを固めた。平成25年度は、1)体験者である父親、そして母親双方にパイロットスタディーとしてインタビューを実施、分析を行った。また、2)ケア提供者である看護師の、難しいと感じるケアについて分析した。 結果、以下のことが分かった。1)①男性である父親は、夫婦の間でも社会においても、一般的に社会が男性に期待する役割をとろうと喪失直後からしばらく頑張る傾向にある。そして、女性である母親よりも遅れて悲しみや辛さが増してくる場合がある。②夫婦で悲しみ方の違いを認め合うまでのプロセスにおいて、第三者の存在は大きい。③夫婦は、自分の両親との関係性に親子ならではの難しさを感じる場合がある。2)看護師は、ケアとして何をすればよいのか知識はあっても、自分の関わりに自信がなく、両親のニーズを引き出しながらのケア提供に難しさを感じている。そして、亡くなった子どもの祖父母や同胞など、家族のダイナミクスの中で両親が悩んでいても、対応しきれず、必要とされる時に適切に介入することが難しい。 以上の結果を踏まえて、夫婦だけではなく、夫婦とその家族に向けた情報提供が必要と考え、それぞれの対象に向けた冊子の開発を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
成果物をまとめるにあたり、看護師・助産師には冊子よりも映像の方が、ケアにおける態度、そのエッセンスをつかみやすいと考え、最終的な方法の再検討をした。そのために時間を要し、データ収集が大幅に遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
夫婦という二者にだけ目を向けるのではなく、夫婦を取り巻く家族にも目を向けて、夫婦を支えるための媒体を作成することで、本研究課題をまとめる。早急にインタビューを実施するとともに、冊子作成にあたり、海外で活用されている冊子も参考にしながら、日本の文化に見合う冊子の作成を進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究方法の検討に時間を要し、インタビューの実施、成果物のまとめに至らなかったため、謝金や諸経費等の支払いが発生しなかった。 インタビューに必要な経費として、研究協力者への謝礼、交通費、テープ起こしのための研究補助者への謝金等で40万程度、成果物等作成の諸経費に30万程度、海外及び国内の研究者へのコンサルテーション等で30万程度、会議費として10万程度の使用を計画している。
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Research Products
(3 results)