2011 Fiscal Year Research-status Report
就労妊婦のストレス状況が及ぼす母体および出生児への影響
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23593360
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
阿南 あゆみ 産業医科大学, 産業保健学部, 准教授 (00369076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 英治 産業医科大学, 医学部, 准教授 (90419838)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 就労妊婦 / ストレス |
Research Abstract |
就労妊婦のストレス状況が及ぼす母体および出生児への影響を、精神的ストレス尺度(GHQ28)と身体的ストレスマーカー(妊婦の尿中8OH-dG,抗酸化能)を用いて客観的に解析することを目的とした。 合併症のない健康な妊婦62名を対象とし、就労妊婦41名と非就労妊婦21名を比較した結果、妊娠前期(妊娠12~16週)は就労妊婦のほうが尿中8OH-dGは有意に低い結果を示した。精神的ストレス(GHQ28)は両者に差を認めなかった。妊娠後期(妊娠32~36週)は就労妊婦と非就労妊婦の間に身体的・精神的ストレスの差を認めなかった。また出生児体重や胎盤重量においては就労妊婦と非就労妊婦に差を認めなかった。これらの結果より、妊娠前期は就労妊婦のほうがむしろ身体的ストレスは低いことが明らかになり、就労が妊娠および出生児に悪影響を及ぼすことは実証されなかった。 妊娠前期(妊娠12~16週)と妊娠後期(妊娠32~36週)のストレス状況は、精神的ストレス(GHQ28)および身体的ストレス(尿中8OH-dG)の両者において妊娠前期のストレス状況が有意に高い結果を示し、妊娠前期の妊婦に対する母体保護の必要性が示唆された。本調査の妊娠前期調査は妊娠12~16週に実施しており、悪阻症状が影響を及ぼしたことが推察される。現在の労働基準法は産前6週間からの休暇制度しか制定されていないため、今後妊娠前期の母体保護を含めた検討が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成22年度に同様の調査を行った結果を、論文発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度は平成22年度に行った同様の調査を論文発表・学会発表する研究活動を行った。 平成24年度は平成22年度に行った調査をふまえ、同様の調査研究を継続する予定である。今後新たに倫理申請を行った後、協力医療機関との調整を行い調査継続を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度の残額を合わせ、酸化ストレスマーカーキットの購入と、実験研究実施のための人件費、対象者への謝金等に使用予定である。
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Research Products
(2 results)