2011 Fiscal Year Research-status Report
心臓外科手術をうけるこどもとのコラボレーションによる飲水ケアの開発
Project/Area Number |
23593363
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
松尾 ひとみ 福岡大学, 医学部, 教授 (20305668)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 水分制限 |
Research Abstract |
心臓外科手術後のこどもの口渇を緩和するこどもと医療者のコラボレーションによる飲水ケアを開発するため、今年度は、健康者の日常生活における口渇の発生状況を明確化する目的で準実験研究を行った。先行研究(柿木, 2002)を基に口渇評価表を作成し、予備調査として、20歳代の女学生5人に日常生活下でチェックしてもらい、該当しない項目を削除、表現を修正し、口渇チェックリストを作成した。この口渇チェックリストを用いて、20歳代の女学生14人に、日常生活下・飲食規制下の2つの環境で各々飲水し、チェックリストによる口渇の主観的判定とテステープによる口渇測定の関連をみた。統計解析ソフトには、SPSS16.0 Windows版を使用し、有意水準.05を有意とした。結果、テステープの口渇測定とに有意差があった口渇チェックリストの項目(口渇に対する主観的表現)は、日常生活下で「喉がカラカラする」「唾液が出る」で、規制下で「口の中が乾く、カラカラする」「口の中がネバネバする、べたべたする」「喉がつまった感じ」「口臭がする」であった。これらのうち、「唾液が出る」「口臭がする」は、これらの症状が無いことが、即ち、テステープ測定で口渇が無いことを示す結果を得た。一方で、口渇の出現するタイミングが、食前である傾向が示唆された。以上より、口渇を把握する指標に用いる表現として、「喉がカラカラする」「唾液が出る」「口の中がネバネバする、べたべたする」は、参考になると考える。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の目的は、健康者の日常生活における口渇の発生状況を明確化することにあり、20代の女性に関しては調査結果を得ることができた。また、当初の予定にはなかったが、上記の結果を基にチャイルドライフスペシャリストや看護師の協力を得て、小児用の口渇スケール(案)を2種類作成し、追加の作業ができた。最終的には、学童期のこどものセルフケア能力のアセスメントツールを作成予定だが、口渇スケールはその手掛かりを導く資源と考えている。現在、本研究に賛同する保護者の協力を得て、健康なこどもからの口渇スケールの内容に対する評価を検討中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
前年度作成した小児用口渇スケールを洗練させ、予備調査を実施する。その結果を基に、看護師、チャイルドライフスペシャリスト、保母に対するフォーカスグループインタビューを行い、小児用口渇スケールを用いた介入研究を実施する予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究協力施設が、福岡と静岡であるため、データ収集のための交通費、宿泊費、通信費施設使用料、謝金、ICレコーダー、テープ起し機、文具、逐語録作成のアルバイト代を必要とする。出先での入力のための小型PC、およびデータを整理し論文作成のためのPCを購入する。また、ケア開発の根拠を明確化するため、国内外の文献購入、場合によっては施設や図書館で情報収集を行ったり、学会参加のための交通費、参加費、宿泊費等を必要とする。研究成果を段階的に公表する上で、投稿に必要な投稿料、翻訳料が必要となる。
|
Research Products
(3 results)