2012 Fiscal Year Research-status Report
妊婦の安全なくらしにつながる「水と健康」に関する基礎研究
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23593365
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Research Institution | 独立行政法人国立国際医療研究センター |
Principal Investigator |
中田 かおり 独立行政法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 准教授 (70469980)
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Keywords | 生体インピーダンス / 妊婦 / 体水分 / 助産学 / 基礎研究 |
Research Abstract |
本研究の目的は、妊娠経過・分娩アウトカムに関連のある妊婦の体水分に関する検査値・推定値と水分摂取を特定し、妊婦の安全なくらしにつながる「水と健康」をあらわす評価指標を示すことである。平成24年度は、平成23年度に実施した予備調査の分析・評価結果に基づいて、前向きコホート研究を実施した。 1.前向きコホート研究の実施:妊娠26~29週の単胎妊婦を対象に、妊娠26~29週、妊娠34~36週の妊娠中2回と、分娩終了後にデータ収集を行った。妊婦の体水分に関連する検査値の一つとして、妊娠中2回の妊婦健康診査時に、生体インピーダンスを測定した。妊娠期の体水分に関連する生理学的検査値は、妊婦健康診査の検査項目の中から抽出し、母子手帳および診療録より情報を収集した。水分摂取に関する情報は、作成した質問紙により収集した。各項目間の関連性を検討した結果、妊娠中に測定した生体インピーダンスと特定の妊娠・分娩異常との関連性が示唆された。今後、妊娠期の健康につながる体水分評価のための指標を探索する上で、重要な示唆を得ることができた。 2.研究成果の公表と意見交換:予備調査の結果を、第53回日本母性衛生学会学術集会(口演)、日本助産学会誌(掲載予定)にて公表した。また、ほかの関連学会に出席し、研究遂行に関する情報収集と意見交換を行った。生理学・生化学的指標を用いた周産期の健康評価に関する研究の動向を把握し、自身の研究成果を公表することによって、今後の研究遂行への示唆を得るとともに関連分野の研究活動に寄与することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度まで継続予定であった本研究のデータ収集を、本年度中に終了することができた。 妊婦の健康につながる体水分の評価指標の検討に向けて、収集したデータの分析・評価をすすめているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
収集したデータの分析・評価を行い、その結果に基づいて、妊婦の健康につながる体水分の評価指標の探索を行い、具体的な評価指標の提示を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は、データ収集の途中経過を分析した結果、当初予定よりもデータ数を多く確保する必要が生じた。そのため、データ収集にかかる研究補助員の人件費、データ数増加による謝品・消耗品費の増額が必要となったため、年度途中で300,000円の前倒し支払い請求をし、交付を受けた。そのため、物品費・人件費の支出は増したが、平成24年度はデータ収集に重点を置いて取り組むこととなったため、旅費・印刷費等の支出が抑制され、その結果、251,845円を次年度に繰り越すこととなった。 平成25年度の使用予定額は、総額901,845円(間接経費150,000円を含む)で、研究結果の分析・評価、研究成果の公表・打ち合わせ等にかかる旅費400,000円、印刷代等の雑費200,00円、を使用予定である。その他、研究成果の評価・公表準備等にかかる資料・消耗品・謝品等の物品費、人件費等の支出を予定している。
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Research Products
(2 results)