2011 Fiscal Year Research-status Report

地域保健分野で活動するＮＰＯのアセスメント指標の開発

Research Project

Project/Area Number	23593377
Research Institution	Kyushu University
Principal Investigator	重松由佳子 (有馬由佳子) 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90320390)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	鳩野洋子九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20260268) 前野有佳里九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20432908)
Project Period (FY)	2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords	NPO活動 / 推進要件 / 地域保健 / 基盤整備
Research Abstract	本年度は、地域保健分野で活動するNPOのアセスメント指標の項目作成に向けて、文献検討、英国のNPOの質向上に向けた取り組み調査、NPO職員と保健師に対する半構成的インタビュー調査を行った。１．文献の検討結果:地域保健で活動を行う組織や他領域のNPOの評価に関する文献を収集し、地域保健分野におけるNPO活動の質向上に向けた評価について検討した。質向上に向けた活動は、その活動の背景にある行政システムやボランティアに関する国の文化、活動分野、評価対象の規模に影響を受けるものである為、日本のNPO活動の背景と地域保健の特性を踏まえた評価指標の開発の必要性が述べられていた。しかし、日本の地域保健分野における妥当性・信頼性が検証されたNPO活動のアセスメント指標はなかった。２．英国のNPOの質向上に向けた取り組み調査：英国のNPO登録機関（Charity Commission）、地域のNPO支援機関（Voluntary Action Islington）、地域の保健医療サービスの情報把握発信機関（LINｋ）、精神保健のNPOにインタビューを行い、NPO活動の質向上に向けた仕組みや各組織の関係について調査した。英国では、各NPOがNPOの規模や分野などによって評価団体を選定し評価することで質向上に活かすことが普及していた。また、地域の病院やGP、NPO等の保健医療サービスに関する情報を収集・発信する機関（LINｋ）があり、各組織はこの情報を活かして活動を展開する仕組みがあった。また、行政機関とNPOの取り決めを定め、NPOが独立して存在し活動できる仕組みがあった。３．NPO職員と保健師に対する半構成的インタビュー調査：NPO職員にNPO活動の経緯とその活動に影響を与えたことについて、保健師はNPOとの関わりとその背景についてインタビュー調査を行い、現在質的に分析を行っている。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned. Reason 本年度は、地域保健分野で活動するNPOのアセスメント指標の項目作成に向けて、NPO活動の質向上の取り組みの先進国である英国の調査により、NPOが独立して存在し活動する仕組みや質向上に向けた仕組みについて示唆を得た。現在、日本の地域保健分野において地域やNPOの特徴を活かして地域のニーズに対し活動を積極的に行っているNPO活動のインタビュー調査分析を行っている。この分析結果より、日本の地域保健のNPOの置かれている社会背景を踏まえたNPO活動の質向上に向けたアセスメント項目の収集を行っている。今後さらに、インタビュー調査を継続し、項目の精選と下位項目の抽出を行う。
Strategy for Future Research Activity	次年度は、アセスメント指標の精錬と指標の開発を行う。(1)NPO職員・保健師のインタビューを継続し項目の精選と下位項目の抽出を行う。(2)地域保健の組織活動の研究を実施している研究者に、整理した指標の枠組み及び項目の妥当性についてインタビューを行う。(3)実践者の観点から、指標試案の、一般可能性、実用性及び項目の過不足について、郵送法によるプレ調査後、自治体に本調査を行う。分析結果をもとに指標試案の修正を行い、指標を完成する。(4)成果は、国内外の学会において発表する。
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding	(1)インタビュー調査（NPO職員・保健師・研究者）旅費　(2)郵送調査通信費　　(3)学会誌発表翻訳費(4)研究成果発表旅費(5)その他（会議費・通信費・調査印刷費）