2011 Fiscal Year Research-status Report
保健医療福祉が連携した感染症対策システム・専門相談員教育課程の構築に関する研究
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23593391
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Research Institution | Mie Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
脇坂 浩 三重県立看護大学, 看護学部, 准教授 (80365189)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 感染症対策システム / 感染管理の教育 |
Research Abstract |
1.医療施設と保健福祉関係機関が密接に連携した感染症対策システムの構築について パンデミックインフルエンザ流行期におけるA県の一小学校、一大学における感染予防の取り組みや予防行動の実態を分析し、第27回日本環境感染学会総会(2012年2月)の一般演題発表で以下のように報告(3題)した。感染症による有事の際に地域住民の認識と行動が明らかになり、医療施設と保健福祉関係機関における「感染症対策システム」が行うべき介入、連携に必要な要因が導き出されたと考える。(1)伊藤美妃、脇坂浩:パンデミックインフルエンザ(H1N1)流行期における看護学生の感染予防行動の実態(第1報)咳エチケットの知識・行動(2)伊藤美妃、脇坂浩:パンデミックインフルエンザ(H1N1)流行期における看護学生の感染予防行動の実態(第2報)情報収集とワクチン接種(3)清水宣明、片岡えりか、西村秀一、脇坂浩:三重県多気郡明和町立下御糸小学校におけるA/H1N1(2009)パンデミックインフルエンザの感染伝搬動態の解析。2.保健師のための感染症対策専門家(専門相談員)教育課程の構築について 感染症対策の経験のある4人の保健師にヒアリング調査を行った。認定看護師教育課程「感染管理」の教育内容を提示し、保健師に求められる感染制御・予防のスキルについて聴き取りを行った。今後、ヒアリング調査を継続し、その結果をもとにアンケートを作成する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.医療施設と保健福祉関係機関が密接に連携した感染症対策システムの構築について 医療施設と保健福祉関係機関が密接に連携した感染症対策システムの構築について、三重県の病院(約100施設)と三重県内の保健所に、感染症対策システムの実態について質問紙郵送法により調査する予定であったが、同県の一小学校、一大学における感染予防の取り組みや予防行動の調査に時間を要し、実施できていない。しかし、これらの成果が、質問紙に必要な内容(項目)を明らかにした。2.保健師のための感染症対策専門家(専門相談員)教育課程の構築について 三重県庁健康福祉部健康危機管理室感染症対策グループと協議して、各都道府県庁に、「地域保健に望まれる感染症対策の知識や技術」「感染症対策で苦慮している内容」について、質問紙郵送法により調査する予定であったが、質問紙郵送まで至っていない。質問紙に必要な内容について、保健師にヒアリング調査をしているが、それに時間を要している。現在、順調にヒアリング調査を実施できているので、2012年7-8月に各都道府県庁に質問紙郵送法により調査する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
1.医療施設と保健福祉関係機関が密接に連携した感染症対策システムの構築について 当初、平成23年度に医療施設と保健福祉関係機関が密接に連携した感染症対策システムの構築について、三重県の病院と三重県内の保健所に、感染症対策システムの実態について質問紙郵送法により調査する予定であったが、質問紙の内容が明確になってきたので、三重県を含めた全国を対象に調査することを予定している(質問紙郵送を平成24年7-8月頃)。また、その結果をもとに、医療施設と保健福祉関係機関より、現在、活用している感染防止マニュアル、危機管理マニュアルを入手して、医療施設と保健福祉関係機関が連携した感染症対策について有効性・妥当性を検討する予定である(平成25年1-3月)。これらの調査に、研究代表者が担当している認定看護師教育課程「感染管理」の研修生と修了生(計60名)に協力を得て、調査の円滑性と妥当性を向上させていく予定である。2.保健師のための感染症対策専門家(専門相談員)教育課程の構築について 現在に行っている保健師へのヒアリング調査をもとに、三重県庁健康福祉部健康危機管理室感染症対策グループと連携して、各都道府県庁に、「地域保健に望まれる感染症対策の知識や技術」「感染症対策で苦慮している内容」について、質問紙郵送法により調査する予定である(質問紙郵送を平成24年7-8月頃)。また、その結果をもとに、再度保健師にヒアリング調査を行い、「保健師業務で必要な感染症対策の知識と技術」に加えて、これまでに「感染症対策の専門家が不在のために苦慮した内容」などを明らかにする(平成25年1-3月)。ヒアリング調査には、研究代表者が所属する三重県立看護大学の卒業生(保健師)に協力を得る予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度研究費の使用計画として、(1)質問紙郵送法に関する費用、(2)旅費、(3)その他として、合計2080,000円で以下のように設定した。(1)質問紙郵送法に関する費用について:医療施設と保健福祉関係機関が密接に連携した感染症対策システムの構築、保健師のための感染症対策専門家(専門相談員)教育課程の構築に関して、各都道府県の主要病院と保健所、都道府県庁に質問紙郵送法により調査するので、通信費と消耗品を以下のように1,500,000円で設定した。【内訳】調査施設1500カ所×500円(往復の切手代、封筒代、紙代)×2(2回調査)=1,500,000円(2)旅費について:保健師へのヒアリング調査、学術学会での研究成果の報告と情報収集、調査協力者との打合せに旅費を以下のように290,000円で設定した。【内訳】保健師へのヒアリング調査=三重県内(1,000Km×30円/Km=30,000円)、学術学会での研究成果の報告と情報収集=日本環境感染学会総会、日本感染看護学会、日本看護科学学会、日本看護研究学会など(50,000円×4回=200,000円)、調査協力者との打合せ=三重県、大阪府、滋賀県、岐阜県、愛知県(2,000Km×30円/Km=60,000円)(3)その他:対象の謝金、筆耕翻訳料、学会参加費、物品費として、290,000円を設定した。【内訳】ヒアリング対象への謝礼品20名分(1,000円/1人×20人=20,000円)、筆耕翻訳料(テープ起こし:7,500円/人×20人=150,000円)、学会参加費(10,000円/参加費×4回=40,000円)、物品費(データ保存・整理のためのノートパソコン1台:80,000円)
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