2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23593400
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
時長 美希 高知県立大学, 看護学部, 教授 (00163965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 麻衣 高知県立大学, 看護学部, 講師 (20344971)
小澤 若菜 高知県立大学, 看護学部, 助教 (90584334)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | アウトリーチ / 地区活動 / 保健師活動 |
Research Abstract |
"アウトリーチ"の概念は「コミュニティにいる人々、特に病院などに来ることができない、またはあまりこない人に対して、ある機関がサービスやアドバイスを提供する活動」「援助を必要とする人の表明されないニーズ把握の手法として開発されたもので、支援者がクライアントの生活現場や職場、関係している地域の機関などに出向いて課題を解決すること」であり、病気への無理解・貧しさ・忙しさ・周囲の偏見などのために医療にアクセスできない人々に対して、いつでもどこでも保健医療福祉サービスを利用できることを目指した包括的な地域保健活動である。支援方法は、「地域生活を守る支援」「予防的支援」「個人と家族への支援」「地域関係者と連携した支援」であり、住民の命を衛り、そこに住む住民の生活を衛り、生きる権利を衛っている。"地区活動"は「地域の健康格差を縮小させながら、健康水準の向上をもたらすために、一人ひとりの健康問題を地域社会の健康問題と切り離さずに捉え、個人や環境、地域全体に働きかけ、個別はもちろん、地域の動きを作り出す活動である。孤立・偏見・差別などの社会的脆弱性が影響する健康問題、生活の中に入り込んだ複雑な健康問題に対して、保健師が、地区の全体状況を捉えて統合的に支援活動を行うことであり、一人一人の住民の健康で豊かな生活を衛るために、積極的に地域に出向き、人々の生活体験を感じ取り、ニーズに添いながら支援する活動である。"アウトリーチ活動を基盤とした地区活動"とは、【本人からの要請がなくても必要性を判断した対象者へ支援する】【潜在的な問題を抱えている対象者に対して支援する】活動であり、効果的に実践するための方策として、<情報を集約するネットワークの構築><関係性を築く技術の向上><生活を支える包括的な支援の提供>が必要であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
文献を検討して保健師のアウトリーチ活動を抽出し全体像について検討したが、保健師が実践しているアウトリーチ活動について面接法を用いてデータ収集することが遅れている。今年度は、現在大きく流動している保健師活動の現状を把握し、実践現場の活動の実際状況を把握すると共に今後のあり方を展望し、研究の示唆を得ることと研究基盤を整えることを中心に活動したため、保健師へのインタビューと結果分析が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
保健師へのインタビューによるデータ収集が遅れているため、平成24年度に実施することで、「研究目標1.保健師のアウトリーチ活動を構造化し、アウトリーチ活動を基盤とした地区活動の全体像を作成する」ことを達成し、遅れを取り戻す。また、「研究目標2.実践現場の保健師と共に、作成した全体像を活用してアウトリーチ活動を基盤とした地区活動を実施しながら、実践をふまえた活動モデルの試案を作成する」については、モデル地区を小規模にしてアクションリサーチを行うことで、目標達成を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は、「研究目標1.保健師のアウトリーチ活動を構造化し、アウトリーチ活動を基盤とした地区活動の全体像を作成する」「研究目標2.実践現場の保健師と共に、作成した全体像を活用してアウトリーチ活動を基盤とした地区活動を実施しながら、実践をふまえた活動モデルの試案を作成する」を達成するための研究活動を行うが、研究目標2については、対象地区の規模を縮小すること、データ収集期間を縮小することを計画している。平成24年に交付された研究費は、上記の目標達成のために使用することとする。 また、平成23年度の研究遂行が遅延し、当初の研究計画に影響を及ぼすと考えられるので、平成24年度の進行状況を踏まえて25年度の計画についても24年3月の時点で、再度検討することとする。
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