2011 Fiscal Year Research-status Report
高齢者虐待事例に介入する専門職の技術の抽出と技術到達指標の開発
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23593404
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Research Institution | Mie Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
大越 扶貴 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (90352632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
表 志津子 金沢大学, 保健学系, 教授 (10320904)
田中 敦子 豊橋創造大学, 保健医療学部, 准教授 (00352633)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 高齢者虐待 / 専門職 |
Research Abstract |
平成23年度は、研究の枠組みの再確認と修正、調査対象であるB県B市の事例検討会議議事録(措置・分離を必要と判断する事例に焦点)10事例の分析を行い、技術項目を抽出した。技術項目を週出するにあたって、児童虐待、困難事例などの先行研究から関連する技術を抽出し整理した。事例分析の視点として、(1)保護・分離を担う担当者として求められる技術、(2)保護・分離の意思決定を関係専門職と合意していく技術、(3)保護・分離にあたっての社会資源の開拓などを中心に抽出した。質的機能的分析の妥当性を高めるための工夫として、分担研究者との討議を3回実施し、得られた技能項目に関しては、高齢者虐待対応で先駆的な自治体の地域包括支援センター職員に情報提供(東京都豊島区、中野区)し、意見を頂いた。なお、本研究計画に関しては、大学の倫理審査委員会で承認を得て実施している。今年度の結果として、専門職が高齢者虐待事例の緊急性の判断の予測をする際、虐待の進行性、潜在性、生命リスクに至る可能性という3つの視点でアセスメントしていることが明かとなった。潜在性は、虐待者、被虐待者、専門職の3者の立場に存在し、各々が虐待の事実を否認するというものであるが、これらをアセスメントする技術が抽出されている。虐待の進行性については、暴力の頻度、SOSの間隔、介護度の悪化などのアセスメント技術が抽出され、生命リスクに関しては、サービスの拒否、被虐待者の世話の現状等をアセスメントする項目が抽出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は高齢者虐待対応における技能項目の抽出が目的であっった。B市の事例検討会議事録の質的帰納的分析、先行研究の整理などでおおよそ平成24年度実施予定のアンケート項目の概要が明らかとなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度の結果に関しては、公衆衛生学会等で発表し、学会投稿を試みる予定である。平成24年度は、抽出された技能項目に関して、予定通り、先駆的活動を行っている地域包括支援センター専門職(200名程度)にデルファイ法によるアンケート調査を行い、技能の抽出と明確化を図っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
アンケート調査に関連する、質問紙作成印刷費、郵送費、分析費が主な研究費の使用となる。
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