2013 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者虐待事例に介入する専門職の技術の抽出と技術到達指標の開発
Project/Area Number |
23593404
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Research Institution | Mie Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
大越 扶貴 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (90352632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
表 志津子 金沢大学, 保健学系, 教授 (10320904)
田中 敦子 東洋大学, 大学共同利用機関等の部局等, 研究員 (00352633)
小池 敦 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (10321316)
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Keywords | 高齢者虐待 / 保護や分離 / 地域包括支援センター / エキスパート / 介入技術 |
Research Abstract |
最終年度は、デルファイ法(2ラウンド)で合意の得られた60の技術項目について、技術項目に付された自由記述内容を参考にしながら分担研究者と共に考察・検討した。また海外投稿のための論文執筆を行った。得られた成果については、2つの学会(第72回日本公衆衛生学会総会、第18回日本在宅ケア学会学術大会)で示説発表を実施した。 本研究のねらいは、保護や分離が求められる虐待事例対応過程に不可欠な専門職の技術項目を提示することである。このねらいを達成するために、地域包括支援センターの3職種(社会福祉士、保健師、主任介護支援専門員)97名のエキスパートを対象にデルファイ法を用い、アセスメント領域の4つの中項目と32の技能項目、保護や分離の検討および介入領域の3つの中項目と28の技能項目を明らかにした。 実践への活用として、保護や分離が求められる虐待事例に不可欠な情報収集・アセスメントおよび介入技術項目は、支援者の機関・職種に関わらず活用が可能である。 一方、技術の提示は、専門職としてのセルフチェックや到達すべき目標となり、専門職の技術養成に活用できると考える。 本研究の意義と今後の課題として、保護や分離といったハイリスク事例への対応技術に関しては、実践例も少なく、先行研究で十分な検証がなされていない。60項目は、97名のエキスパートが、多様な角度からリスト化された技能を評価し、重要な項目であると合意したものであり、妥当性が高い。今後、専門職への教育・研修に使用し実践結果の評価をするなかで、臨床的な妥当性の検討につなげていく必要がある。
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Research Products
(2 results)