2011 Fiscal Year Research-status Report
養護診断過程における心理的及び社会的アセスメント指標の開発に関する研究
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23593406
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Research Institution | Kagawa Nutrition University |
Principal Investigator |
大沼 久美子 女子栄養大学, 栄養学部, 講師 (00581216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 伸子 女子栄養大学, 栄養学部, 教授 (90310408)
武藤 志真子 女子栄養大学, 栄養学部, 教授 (40076162)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 養護診断 / アセスメント / 養護教諭 / 心理的 / 社会的 |
Research Abstract |
本研究の目的は,養護診断過程において学校教育下の子どもの健康問題を早期発見するための心理的及び社会的アセスメントの概念とその指標を開発することである。平成23年度全国学校総覧に記載の小・中・高等学校を無作為抽出し各1,000校(計3,000校)を対象に郵送法による無記名自記式質問紙調査「養護教諭が行う心理的・社会的アセスメント実態調査」を実施した。調査内容は仮に設定した心理的アセスメント13項目,社会的アセスメント10項目,生活習慣アセスメント7項目の計30項目であり,各々の実施度と重要度を4件法マークシート方式で調査した。項目になく実施また重要と考える項目は自由記述とした。調査期間は2011年10月から11月、回収数は1501校(回収率50.0%,有効回答率99.9%),内訳は小学校469校(31.5%)中学校464校(30.9%)高等学校488校(32.8%)中等教育学校66校(4.4%)無記入14校(0.9%)であった。倫理的配慮は調査依頼文書を学校長及び養護教諭宛に調査票と同封し本調査票の返送をもって調査の同意が得られたものとした。結果として,30項目中生活習慣アセスメントの2項目を除く28項目に実施度と重要度に差がみられた。重要であるが実施しにくい項目があることがわかった。このことから重要度の回答をもとに指標作成を試み,因子分析により28項目4因子構造,各々を「体から心への導入アセスメント」「生活習慣アセスメント」「他者との関わりアセスメント」「自己発見アセスメント」と命名した。一方CS分析の手法を参考に改善度の高い項目を検討した。それらは上記「自己発見アセスメント」に属する項目であった。今後はこの4指標で養護教諭が行う心理的・社会的アセスメントシートの作成を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、養護診断過程において学校教育下の子どもの健康問題を早期に発見するための心理的及び社会的アセスメントの概念を明確にし、その指標を開発することである。研究初年度である平成23年度は、調査研究A「養護実践における心理的及び社会的アセスメント実態調査」であった。本研究は学校の保健室における養護実践を基盤としていることから、研究目的達成のため「養護実践アセスメント研究会」(構成員は大学研究者、小・中・高・特別支援学校に勤務する養護教諭、大学院生)を組織した。3回にわたる研究会において調査計画の検討(調査対象の選定等)、調査票の作成及び検討を行った。予備調査を実施後、修正をおこない本調査を実施した。調査の信頼性・妥当性を確保するため全国無作為抽出で調査対象校を選定し各学校長への調査依頼文書を同封したことにより調査回収率が50%を超え標本としても当初の目的を達成できた。調査結果については因子分析により4つの因子構造が確認されたことからおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究2年目となる平成24年度は、前年度に導き出された4つの因子構造を基盤に、養護教諭が行う心理的・社会的アセスメントの指標となりうる「体から心への導入アセスメント」「生活習慣アセスメント」「他者との関わりアセスメント」「自己発見アセスメント」ごとに養護教諭が行う心理的・社会的アセスメントシートを作成する。調査研究Bとして「養護教諭が行う心理的・社会的アセスメントシート活用調査」を実施する。これは本シートの信頼性と妥当性を検証するために行うものである。シートの作成に当たっては昨年度組織した「養護実践アセスメント研究会」の協力を得て、(1)調査計画作成 (2)調査準備(調査表作成、Web調査準備等)(3)予備調査(Webの動作確認)(4)本調査実施(Web調査) (5)集計解析(量的分析による検討)(6)「養護教諭が行う心理的・社会的アセスメントシート」の再検討を行う計画である。Web調査の実施に当たっては「養護診断開発研究会」のサイトを活用し、会員に対して実施する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費…140,000円(消耗品等)旅 費…120,000円(研究会開催に関わる費用等)人件費謝金…390,000円(調査事務アルバイト等)その他…120,000円(ホームページ管理料、郵送費等)
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