2013 Fiscal Year Research-status Report
産業看護職の地域・職域連携コンピテンシーの明確化および教育プログラム開発と検証
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23593409
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
三橋 祐子 東海大学, 健康科学部, 講師 (10580813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
錦戸 典子 東海大学, 健康科学部, 教授 (10172644)
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Keywords | 地域・職域連携 / メリット / コンピテンシー / 産業看護職 / 教育プログラム |
Research Abstract |
研究初年度に行った質問紙調査において、地域保健との連携経験があると回答した産業看護職(日本産業衛生学会登録)253名のうち、同意の得られた40名を対象に、連携対象、連携の経緯やその内容、連携のメリット等について、電話インタビュー調査を実施した。分析の結果、必ずしも産業保健スタッフが充実しているとはいえない環境の中、産業看護職は地域保健関係者と連携することで専門職のマンパワーを確保し、深刻な健康問題を抱える従業員だけでなく、その家族にまで対象範囲を拡げ、支援していることが明確になった。また、連携のメリットについて質的統合法(KJ法)を用い、分類した結果、産業保健活動を進める上でのメリットについて、63のコード、10のカテゴリーが抽出された。「地域保健分野が有する様々な情報を得て、産業保健活動に活かせる」、「従業員・家族を含めた健康問題解決の糸口がみつかる」、「専門職のマンパワーを確保し、より専門的な知識が得られる」、「退職時の支援を充実できる」、「人間関係のつながりが出来る」等といったメリットのカテゴリーが挙げられた。 さらに、上記の電話インタビュー対象者のうち、より活発に地域保健との連携を進めている産業看護職10名を対象に面接によるインタビュー調査を実施した。連携のメリットや連携に必要なコンピテンシー等、詳細を語って頂くことが出来、現在、分析中である。 これまで、産業看護領域を対象とした地域保健との連携に関する研究はほとんどなされていない中、初めて、産業看護職による地域保健との連携の現状や連携方法、連携のメリットが明らかになった。今後、分析を進める中で、産業看護職の立場からも地域・職域連携を推進していくために、連携に必要なコンピテンシーを明確にしていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の予定通り、H25年度までに、産業看護職を対象とした質問紙調査、電話インタビュー調査および、面接によるインタビュー調査を実施した。分析結果から、研究の目的である、産業看護職による地域保健との連携の現状や連携方法、連携のメリットを明らかにすることが出来ており、これらについては、H25年度の日本産業衛生学会において報告済み、H26年度の同学会でも報告予定である。現在、面接によるインタビュー調査の質的な分析を進めているところであり、概ね順調と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、より活発に地域保健との連携を進めている産業看護職10名を対象に実施した面接によるインタビュー調査の質的分析を進め、連携のメリットや連携に必要なコンピテンシーについて、明らかにする。 また、初年度に行った質問紙調査において、経験の浅い産業看護職では地域保健業務に関する知識が浅く、連携方法等の技術が身に付いていない可能性が考えられ、今後、産業看護職の立場からも地域・職域連携を推進していくためには、産業看護実践者を対象とした教育プログラムを構築することが重要である。よって、最終年度は、これまでの3つの調査結果を基に、熟練の産業看護職やスーパーバイザーの助言を受けながら、教育プログラムを作成したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2013年度は、面接によるインタビュー調査を計画し、地域保健との連携経験がより豊富な全国各地の産業看護職を対象として調査を実施した。しかし、当初の予定と比較し、九州や北海道など遠隔地の対象者がいなかったため、交通費や宿泊費を大幅に節約することが出来たため。 教育プログラムを作成するにあたって、熟練の産業看護職や大学教員などのスーパーバイズを受ける際にかかる会場費、交通費、謝礼。また、教育プログラムの製本費用として使用する予定。
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Research Products
(1 results)