2013 Fiscal Year Annual Research Report
家族システムに焦点化した保健指導プログラムの開発と評価
Project/Area Number |
23593413
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Research Institution | Tokyo Health Care University |
Principal Investigator |
金子 あけみ 東京医療保健大学, 看護学部, 准教授 (80588939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 奈美 北里大学, 看護学部, 教授 (90311406)
大野 佳子 北里大学, 看護学部, 准教授 (20347107)
森 淳一郎 信州大学, 医学部, 講師 (20419401)
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Keywords | 特定保健指導 / 保健指導プログラム / 家族 / 会話 |
Research Abstract |
初年度及び2年目の研究において、保健指導に関する文献レビュー及び既存の保健指導に係るテキスト及びDVD等の教材の内容から保健指導に必要な知識・技術について整理した結果、対象者の家族の構造・関係性や生活状況に焦点を当てた保健指導内容がほとんどなされていないことが明らかになった。 最終年度では、保健指導対象者と家族との関係が保健指導のアウトカムに関連があるかどうかを検討する目的で、某企業の特定保健指導において保健指導時に協力の得られた243名中、過去5年間分の保健指導歴と名寄せできた126名のデータを用いて、保健指導後の効果の持続期間、すなわち、生活習慣の改善による健診データの改善期間に着目し、婚姻状況、家族構成及び健診データ等について分析した。特に、家族の存在が影響すると考えられた過去に複数回の保健指導を受けている対象者、いわゆるリピーターの特性について分析したが「家族」との関連はみられなかった。 一方、東京と大阪で協力の得られた健診センターで、ベテラン保健師の行う実際の保健指導場面(7場面)を録音し、その会話内容を質的内容分析を行った結果、【対象者との信頼関係の構築】、【アセスメント】、【気づきの促し】、【対象者の自己の健康行動と科学的根拠のある方法の理解の促進及び教材の選定】、【目標設定】、【継続フォロー】という先行研究で明らかとなった指導技術が検証された。保健指導時の会話中、これらのカテゴリの中に「家族」に関するさまざまな内容が出現し、個人の生活習慣を変更する気づきを促し、家族の存在を意識化する指導が行われていた。 効果的な保健指導プログラムを開発するためには、保健指導時の会話内容中に出現する「家族」に関する内容をさらに収集するとともに、それらが個人の生活習慣の変更に寄与し、健診データに反映されるかを実証する必要がある。
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