2013 Fiscal Year Research-status Report
災害をめぐる感染症危機管理に向けた包括的支援プログラムの構築
Project/Area Number |
23593420
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
三橋 睦子 久留米大学, 医学部, 教授 (50289500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津村 直幹 久留米大学, 医学部, 講師 (50227469)
大坪 靖直 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (60223880)
佐藤 祐佳 久留米大学, 医学部, 講師 (40368965)
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Keywords | 感染症 / 災害 / 公衆衛生 / 危機管理 |
Research Abstract |
災害大国である日本において、今後大規模災害の発生は必須であろう。被災地においては、発災直後から衛生環境が低下することから、ほとんどのケースで感染症が発生しており、二次災害としてアウトブレイクの危険性が指摘されている。本研究では、国内を中心とした災害発生後の、超急性期から急性期、回復期をめぐる感染症の集団発生の危機に対し、被災者および支援者へ向けた感染防止のための包括的支援プログラムを開発することを目的とする。 I.ガイドラインの作成:阪神大震災、新潟中越沖地震、新潟地震、奈良・和歌山の台風による水害、東日本大震災、九州豪雨災害、等の資料およびヒヤリングデータから、課題を抽出しカテゴリーを検討するなかで、感染管理上のリスクアセスメント(既存)に従い再度検討することの有効性が推測された。そこで、「避難所の形態」「避難者の年齢構成」「手指衛生」「汚物処理」「食品管理について」「換気について」「体調管理について」「物品の確保状況」「罹患状況」「要介護・援護者の状況」の項目でレベルを層別し、層別ごとの対応策について分析し体系化できるように再検討中である。 II.平24年7月の九州豪雨災害後、1年間(平成24年8月~平成25年8月)を通して縦断的に感染防止活動に取り組んだ。その取り組みについての評価を調査した結果、感染防止への効果が示唆された。感染症のリスクイメージには、その地域に発症した過去の集団感染症が影響することが示唆され、心理的影響は8か月後まで継続していた。現在、心理的影響を考慮した、介入時の評価尺度を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成23年3月11日の東日本大震災・大津波・原子力爆発事故等に関連した調査資料の収集、ヒヤリング、および平成24年7月11日の九州豪雨災害にかかる1年間(平成24年8月~平成25年8月)の介入調査および分析等、その被害の大きさの影響および膨大な資料の収集となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
ガイドラインについては、、「避難所の形態」「避難者の年齢構成」「手指衛生」「汚物処理」「食品管理について」「換気について」「体調管理について」「物品の確保状況」「罹患状況」「要介護・援護者の状況」の項目でレベルを層別し、層別ごとの対応策について体系化できるように再検討する。さらに九州豪雨災害での成果を基に、発災後に使用可能な段階まで推進する。また、災害がない場合においては、パイロットスタディーでの精度の確認分析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年3月11日の東日本大震災、大津波、原子力発電所の爆発の影響が大きく、調査の進展が遅延した。また、平成24年7月11日の九州豪雨災害後の長期的感染防止活動の取り組み介入調査を平成24年8月~平成25年8月まで実施したことで、ガイドライン作成が遅れると同時に、再検討の必要性が示唆された。そのため、当該年度実施予定であった全国調査が実施できておらず、予定していた「その他」の費目が使用できておらず、次年度使用額が生じました。 ○被災地での環境汚染、口腔内汚染、手指の汚染などの調査のため、細菌数検査の機械を購入予定である。○ガイドラインおよび評価尺度の信頼性、妥当性の検証のため、全国調査を行う予定である。○データ分析に当たり、研究協力者へ依頼するためその謝金を支払う予定である。○ホームページビルダーおよび統計解析ソフトを購入予定である。○日本災害看護学会にて発表予定であり、旅費を計上する。
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