2011 Fiscal Year Research-status Report
在宅緩和ケアに関わる訪問看護師の家族ケア力向上を目指した介入モデルの研究
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23593422
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
古瀬 みどり 山形大学, 医学部, 教授 (30302251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浪 容子 山形大学, 医学部, 助教 (60361268)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 在宅緩和ケア / 訪問看護 / がん終末期 / 看取りケア |
Research Abstract |
平成23年度は、在宅緩和ケアの現状、在宅緩和ケアならびに緩和ケアを必要とする患者の家族に対する訪問看護師のとらえ方を明らかにする。訪問看護師を対象に在宅緩和ケアを必要とするがん患者およびその家族支援に関する実態調査を郵送法と面接法にて実施した。2011年6月福祉・保健・医療の総合的情報サイトに登録されている全国の訪問看護ステーションから、看取り看護体制ありで専従看護職員数5名以上と記載のあったものを検索した。そのうち1000件を無作為抽出し、調査票を郵送した。転居先不明の返送7件を除く、268件から回答が得られた(回収率27.0%)。看取り看護の実施状況は「積極的に行っている」が46.6%、「必要時行っている」52.3%であった。終末期がん利用者の受入れ状況は「積極的に受入れる」が81.7%を占めていた。2011年1月から調査時点までの終末期がん利用者総数は平均8.95人、そのうち自宅で看取った利用者数は「2名以上5名未満」が40.4%であった。家族への支援で困難と感じたことは「介護者の精神面の維持」が61.8%、「疼痛や精神症状への対応」50.2%、「介護者の健康状態の維持」38.6%、「在宅療養の継続」を36.7%があげていた。終末期がん利用者を「積極的に受入れる」と回答したステーションは、その他のステーションに比較し、終末期がん利用者の受け入れ人数は有意に多く、看取り看護、グリーフケア、デスカンファレンスの実施状況も良好であった。また終末期がん利用者を看取って良かったと思うこととして、「利用者の希望にそえた」「利用者が最期を家族と過ごせた」「疼痛コントロールがうまくいった」を多く回答しており、看取りケアの満足感が高いことが明らかとなった。訪問看護師への面接調査は、現在実施継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
訪問看護ステーションへの全国調査が終了し、平成24年2月時点で学会誌への投稿および学会発表を実施した。平成23年度実施を計画していた訪問看護師への面接調査と平成24年度実施を計画していたがん患者遺族への面接調査は、現在同時進行にて実施している。がん患者遺族への面接調査は、分析にも着手しており、当初の予定通り平成24年度中に研究結果の公開が可能と考えた。
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Strategy for Future Research Activity |
申請時の研究計画に基づき、研究を遂行する。平成24年度は、がん患者遺族に対して行った面接調査結果の分析、学会発表、論文投稿を行う。また、訪問看護師への面接調査を継続し、分析、学会発表、論文作成まで行う予定である。平成25年度に家族看護の研究会を通して訪問看護師への介入を予定しているため、そのための準備として研究者が現在主催している山形ファミリーナーシング研究会の内容充実と広報活動に努める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
訪問看護師への調査については、英文論文の執筆を予定しているため、平成24年度は調査、研究成果発表にかかわる旅費のほか、翻訳業者への支払いが研究費使用の大部分を占めると思われる。
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Research Products
(1 results)