2012 Fiscal Year Research-status Report
在宅緩和ケアに関わる訪問看護師の家族ケア力向上を目指した介入モデルの研究
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23593422
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
古瀬 みどり 山形大学, 医学部, 教授 (30302251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浪 容子 山形大学, 医学部, 助教 (60361268)
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Keywords | がん終末期 / 見取り / 訪問看護 / 家族ケア / 在宅緩和ケア |
Research Abstract |
平成24年度は、訪問看護を利用しながら終末期を自宅で過ごしたがん患者の遺族を対象に面接調査をし、がん告知から看取りに至るまでの家族の体験を明らかにした。また在宅緩和ケアならびに緩和ケアを必要とする患者の家族に対する訪問看護師のとらえ方を明らかにした。 末期がんで死亡した10名の患者の遺族を対象に面接調査を行った。結果は質的に分析した。見取りに至るまでの家族介護のプロセスには、<セルフケア行動>、<在宅介護継続上の困難>、<見取りに対する心念>、<支援者からの働きかけ>が認められた。<見取りに対する心念>は、家族の<セルフケア行動>を促進する因子となっていることから、在宅療養に移行する前から、家族が<見取りに対する心念>を抱けるよう働きかける必要性があると示唆された。 訪問看護師を対象とした調査では、末期がん患者を受け持った経験のある11名の看護師に調査を行った。事例をあげて家族の介護状況や支援の内容を具体的に語ってもらったところ、見取りに至るまでの家族の心理的サポートについて多く語られた。そこで、家族の心の揺らぎとそれに対する訪問看護師の支援について質的に分析した。末期がん患者の家族が自宅での見取りに際して経験する心のゆらぎに対する訪問看護師の捉え方とには、<在宅介護継続断念への懸念><条件次第での看取り方針>が認められた。また、それに対する訪問看護師の支援には、在宅介護適応プロセスへの支援と自宅での見取りプロセスへの支援があることが明らかになった。患者の身体状況や家族の介護状況に応じたケアスキルを用いて、家族の心の揺らぎに寄り添う支援を行っていることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り研究が進行しており、平成25年度の研究も予定通りスタートしている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、訪問看護師への介入を行い、これまでの研究成果のフィードバックに努める。また国内外の学会および論文等に研究成果の発表を行う。さらに、本研究の最終目標である訪問看護師の家族ケア力向上を目的とした介入モデルの考察をすすめ、研究報告書の作成を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年6月にアメリカで開催される国際家族看護学会で、本研究の成果発表を予定している。そのため、旅費および翻訳等、学会発表の準備に関わる費用に研究費の多くを使用する予定である。その他、訪問看護師への介入を実施するにあたり、物品費、謝金、会議費等への使用を予定している。
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