2014 Fiscal Year Annual Research Report
アクションリサーチによる筋萎縮性側索硬化症療養者の在宅終末期ケアの開発
Project/Area Number |
23593425
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
牛久保 美津子 群馬大学, 保健学研究科, 教授 (90213412)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 苗恵 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 准教授 (80272269)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
|
Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / 終末期ケア / 緩和ケア / ALS / 看取り / 呼吸不全 / 在宅療養支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間内にアクションリサーチの対象となったのは2例で、いずれも呼吸不全に対する医療処置を希望せずに自然死を迎えた事例であった。1例に関しては症例報告をまとめている。もう1例は、研究協力が得られなかったため、実践のみを行った形となった。筋萎縮性側索硬化症(ALS)療養者の終末期は、がんと比べ、予測が難しい。突然死や急激な呼吸機能の悪化があるに加え、呼吸不全に対する医療処置についての患者と家族の意思決定によって死期が大きく左右される。身体的アセスメント能力に加え、意思決定支援力が死期予測に関連すると言える。そのため、不確実性が高く介入に困難を要することから、やがて訪れる呼吸不全に対する医療処置について、はやめはやめにコミュニケーションをとりながら、意思決定支援を行う重要性が示唆される。 最終年度は、これまでの研究から得られたこれらの知見をふまえて、以下の2つの調査を行った。①ALS療養者の緊急入院事例に関する分析 A病院で3年間に緊急入院したALS事例は15名に対して診療録調査を行った。死亡は2例、自宅退院は5名、転院は8名であった。死亡例のうち、1例は病勢がはやく意思決定をしていなかった。本人の意識はなく、家族が呼吸器をつけずに苦しまないようにしてもらいたいと意思決定をし、死亡した。もう1例は、気管切開と人工呼吸器装着を希望しないと意思決定をしていたが、誤嚥性肺炎を繰り返していたが何回も抗生剤で持ち直していた状況であったため、緊急搬送となったが死亡退院した。②ALS支援経験の豊富な訪問看護師を対象にして、死亡したALS療養者に対する支援経験を振り返ってもらい、死亡経過と死期予測について検討するための面接調査を行った。現在、調査結果を分析中である。
|