2012 Fiscal Year Research-status Report
退院支援における支援行為の抽出と再構成―患者特性に応じた支援方法の確立に向けて―
Project/Area Number |
23593427
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永田 智子 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80323616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鷲見 尚己 北海道大学, その他の研究科, 准教授 (30372254)
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Keywords | 退院支援 / ケアマネジメント / 訪問看護 |
Research Abstract |
【退院支援に関する先行事例の収集・整理】昨年に引き続き、自宅退院に向けた退院支援の経過を詳細に記載している文献の分析を行い、ガン末期の退院支援ケースに焦点を当てて、対象事例の概要について整理した後、退院支援の経過を行為別に整理した。今後、本結果をもとに、インタビューを行って行為とその流れを確認し、支援経過のチャート化を行っていく予定である。 【退院後の訪問看護利用促進事業の評価】滋賀県草津市における訪問看護の適切利用推進のためのモデル事業の効果評価を行い、入院中には訪問看護の知識がない・あるいは必要性を認識していない患者がモデル事業によって退院後に訪問看護を利用し、その後、必要性を理解して継続利用している事例が複数認められたことを明らかにした。退院前のケアマネジャーと病院スタッフを交えたカンファレンスが有効であった可能性があり、退院後の適切なサービス利用を促進するための要素の一つとしてとらえられることが分かった。 【退院調整部署を有しない病院でのアクションリサーチ】部署を有しない病院における支援方法の確立の一助として、スクリーニング票の導入とハイリスク患者に関するカンファレンスの実施を取り入れ、その効果評価を行った。その結果、看護師の実践能力に関する自己評価項目のうち、スクリーニングとモニタリングに関する項目が実施後に有意に向上し、ハイリスク患者の特定状況も向上した。一方、患者による評価指標に改善は見られず、看護師自身の「実施」に関する自己評価項目も変化しなかったことから、カンファレンスの内容とその後のフォローに課題があることが示唆され、今後の課題とされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先行事例の収集と整理に時間がかかり、またインタビュー調査が未着手であるが、その他の内容について効果評価を行うことができ、支援方法の確立に資する結果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
退院支援に関する先行事例の収集・整理を進めるとともに、事例に関するインタビューと分析を実施する。これらを他の研究の結果と合わせて、支援方法のまとめを作成し、現場で活かせる形態のものを作成する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究者間での話し合いのための旅費、および成果のまとめのための人件費と印刷費が主な支出となる。物品費としては、インタビュー調査とその解析のための機材や物品の購入が中心となる予定である。
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Research Products
(2 results)