2013 Fiscal Year Annual Research Report
看護における私的スピリチュアル境界の構造とその調整技術的要素の抽出
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23593429
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
比嘉 勇人 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医), 教授 (70267871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 いずみ 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医), 准教授 (80293299)
山田 恵子 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医), 助教 (00600230)
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Keywords | 看護師 / スピリチュアル / メンタル / 援助的コミュニケーションスキル / 関わり / 体験過程 / 精神看護セラピー / 共分散構造分析 |
Research Abstract |
看護における私的スピリチュアル境界の構造とその調整技術的要素の抽出を検討するために,人のこころを「私的スピリチュアル(自分自身および自分以外との非物質的な結びつきを志向する主体内発的こころ:PS)」と「メンタル(自分の体外または自分の体内から発せられた情報に応じる刺激反応的こころ:Me)」から成る二層構造と想定し,精神看護セラピー(PNT)モデルの開発を試みた. まず,看護師91名を対象に無記名自記式による質問紙調査への回答を求めた.質問紙は,年齢,援助的コミュニケーションスキル測定尺度(TCSS),看護師関わり測定尺度(NIS),患者の体験過程レベル(ELP)で構成した.なお,TCSSは「Meスキル」「交差的スキル」「PSスキル」変数の各得点で,NISは「Me介入」「PS希求」変数の各得点で,ELPは「体験過程」変数の得点で評価される.次に,これらの各変数を用いて仮説モデルを作成し,共分散構造分析を行った. その結果,有効回答は83名,年齢は39.86±8.13歳であった.ここで,良好な適合度が認められた仮説モデル修正版をPNTモデルと名づけた.「Meスキル」「交差的スキル」「PSスキル」の各変数には相関が認められ,援助的コミュニケーションスキルは相互関与的なスキルであることが示唆された.「Meスキル」および「交差的スキル」は,「Me介入」に影響を及ぼすことが確認され,この両スキルが「Me介入の強弱(近すぎ-離れすぎ)」を調整することが示唆された.「PSスキル」および「交差的スキル」は,「PS希求」に影響を及ぼすことが確認され,この両スキルが「PS希求の強弱(熱すぎ-冷めすぎ)」を調整することが示唆された.また,「PS希求」は,「体験過程」に影響を及ぼすことが確認され,「PS希求」が「体験過程レベルの高低(新たな意味の見出-意味の固着または不出)」を調整することが示唆された.
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