2012 Fiscal Year Research-status Report
女性アルコール依存症者の死への転帰を予防するための断酒継続プログラムの開発
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23593430
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
河村 一海 金沢大学, 保健学系, 准教授 (50251963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 雅美 金沢大学, 保健学系, 教授 (50293808)
長田 恭子 金沢大学, 保健学系, 助教 (60345634)
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Keywords | 女性アルコール依存症者 / 断酒継続プログラム / 認知行動療法 / うつ状態の予防 / 死への転帰の予防 |
Research Abstract |
今年度は、まず女性アルコール依存症者が女性のみのメンバーで構成されるAlcoholics Anonymous(以下AA)に参加することで、特にアルコール依存症からのうつ状態への移行への予防という点を重視して明らかにすることを行った。 その結果、4のカテゴリーと13のサブカテゴリーが抽出された。4のカテゴリーは「参加による引きこもりの予防」(3のサブカテゴリー〈参加のための外出による気分転換〉〈引きこもりによる病状悪化の予防〉〈自宅以外の居場所の確保〉から構成)、「生きることの肯定」(3のサブカテゴリー〈生命のあることでの喜び〉〈参加して話したり聞いたりすることでの安心感・安楽感の確保〉〈ありのままの自分の許容〉から構成)、「依存症から離れる力を得る場」(3のサブカテゴリー〈新しい生き方を知ったことでの精神的安楽〉〈定期的参加での日々の落ち込みからの回復〉〈ミーティングの存在が心のよりどころ〉から構成)、「女性同士の共感と語りの共有」(4のサブカテゴリー〈女性しかいないので安心して泣いたり、吐き出したりできる場所〉〈同性であるスポンサーや仲間と同じ時間を共有することでの安心感〉〈女性アルコール依存症が自分だけではないと思えることでの癒やし〉〈会って分かち合える同性の人が存在することの喜び〉から構成)であった。 次にこの今年度導き出されたカテゴリー、サブカテゴリーと昨年度導き出されたカテゴリー、サブカテゴリーを参考に、断酒継続に成功している女性アルコール依存症者の断酒継続に対する特徴や自助グループに対する思いを参考に「女性アルコール依存症者の断酒継続につながる思いについての質問紙」の仮案を作成した。 この質問紙を実際に活用できるレベルにまで精選し、使用することで、断酒継続出来ている女性アルコール依存症者と出来ない女性アルコール依存症者との違いを導き出せるのではないかと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は「女性アルコール依存症者の断酒継続につながる思いについての質問紙」を完成することまでを予定していたが、質問紙を精選するための対象者との連絡調整がうまくいかず、仮案の段階で終わってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
「女性アルコール依存症者の断酒継続につながる思いについての質問紙」を完成し、断酒継続に成功している女性アルコール依存症者と断酒継続が困難な女性アルコール依存症者にどのような違いがあるか、その違い(感情・志向・認知の歪みなど)を導き出す。 そして、それを参考に断酒継続が困難な女性アルコール依存症者への介入プログラムを開発、施行し、プログラムにより効果的な介入ができたかを評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度に研究費の使用額が予定よりも減額したことの理由として、研究打ち合わせの際に相手側との予定が合わなくなって打ち合わせに行けなくなったことや、研究が予定よりも遅れたためデータ分析のための雇用予定であった作業依頼者を実際には雇用できなくなってしまったため、謝金使用額が減額したことがあげられる。 平成25年度は作成した質問紙の内容確認のため、研究対象者が指定した場所へ出向くための調査研究旅費、アルコール依存症についての専門的知識の提供者との研究打ち合わせ旅費および成果発表のための旅費、専門的知識提供者への謝金、研究補助のための作業依頼の謝金等を計画している。
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