女性アルコール依存症者の死への転帰を予防するための断酒継続プログラムの開発

2013 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 23593430
• Research Institution: Kanazawa University
• Principal Investigator: 河村 一海 金沢大学, 保健学系, 准教授 (50251963)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 長谷川 雅美 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (50293808) ; 長田 恭子 金沢大学, 保健学系, 助教 (60345634)
• Keywords: 女性アルコール依存症者 / 断酒継続プログラム / 認知行動療法 / うつ状態の予防 / 死への転帰の予防

Research Abstract

今年度は「女性アルコール依存症者の断酒継続につながる思いについての質問紙」を作成した。
項目の内容は、断酒行動そのものや飲酒・断酒に関する対人関係（家族及び友人等）に関する内容、断酒行動に伴う生活環境の調整（職場及び冠婚葬祭等における機会飲酒の回避等）に関する内容を含むものとした。
具体的には「女性のみのミーティングでは、混合ミーティングでは出来ない話が出来てホッとしたことがある」「女性ミーティングの仲間の話から、自分のことについて新しい発見があった」「女性ミーティングへの参加をしばらく中断していて、久しぶりに来たとしても安楽感を感じる」「自分のことを見てくれている人がいるというのがすごくうれしいと感じるので、ミーティングに来ているのだと思う」など56項目から構成されており、各項目「非常にあてはまる」を5、「全くあてはまらない」を1とした5段階評価で回答できるものである。
今年度は、女性AAミーティングおよびアルコール依存症患者の教育プログラムをもつA病院に依頼して断酒継続出来ていない女性アルコール依存症者を紹介していただき、先の質問紙とインタビューを行って彼女らがなぜ断酒継続出来ないのかについての調査をしている段階であり、現在までに3名の対象者のインタビューを行った。3名のうち1名は女性AAミーティングに対してネガティブなイメージをもったことで、今後は参加したくないという方、他の2名のうち1名は断酒できていないが(節酒の段階）女性AAミーティングには参加されている方ともう1名は入院をきっかけに断酒でき、退院後半年を経過しているが断酒継続出来ている方で、ミーティングに参加され続けている2名に関しては今後も経過観察していくことと、対象者をさらに増やして検討していく予定である。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

断酒継続出来ていない女性アルコール依存症者で、断酒継続のために女性AAミーティングに参加しようとされている女性アルコール依存症者および断酒継続のために入院された女性アルコール依存症者を本研究の対象者としているのだが、対象者が集まらず、予定していた調査・介入が十分に出来なかった。

Strategy for Future Research Activity

本研究の対象者（断酒継続出来ていない女性アルコール依存症者）数を増やし、質問紙とインタビューを行って彼女らがなぜ断酒継続出来ないのかについての調査を行い、断酒継続に成功している女性アルコール依存症者と断酒継続が困難な女性アルコール依存症者にどのような違いがあるか、その違いを導き出す。ぞれを参考に、断酒継続が困難な女性アルコール依存症者への介入プログラムを開発、施行し、プログラムにより効果的な介入ができたかを評価する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成25年度に、断酒継続が困難な女性アルコール依存症者へのインタビューを計画していたが、予測していた人数の対象者を確保することが出来ず、対象者の特徴を導き出せていない状況である。また、そのため対象者への介入プログラムの開発・施行も出来ない状況となったため、計画が十分実施できず、次年度に研究が持ち越されることとなったため、次年度使用額が生じた。
調査研究を実施するための消耗品（カセットテープ・USBメモリー等）を購入し調査研究を継続することや収集したデータを整理するための研究補助者の雇用および研究に関する専門的知識の提供を受けること、研究成果の発表として外国語論文作成を次年度は予定しているので、未使用額はその経費に充てることにしたい。